猛獣的な存在である動物の熊がぬいぐるみになることで、人間の可愛いと思う存在へと変化していった。猛獣で危険な生き物に対し、可愛いと感じるものには何か矛盾があるのではないかと感じた。それは、我々人間の自由な行動であり、人間の利己的な要素が含まれた不気味な存在ともいえるのではないだろうか。
また、動物の熊が二足で立つ姿からどこか人間と近いものがあると感じ、擬人化しやすい対象なのではないかと考えている。そのため、「くまのぬいぐるみ」からは人っぽさ、人間くささというのが得られるものであると感じている。
「くまのぬいぐるみ」は一般的に可愛いらしい存在であるが、その背景には人間が存在している。それは、 普段我々が意識することのない不気味なものではないだろうか。それを「くまのぬいぐるみ」を通して表現している。
【略歴】
1997年
・山梨県に生まれる
2020年
・多摩美術大学美術学部絵画学科版画専攻　卒業
2022年
・多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程絵画専攻版画研究領域　修了

【個展】
2021年
・山田渓樹展（GALLERY b. TOKYO）

【グループ展】
2019年
・多摩美術大学絵画学科版画専攻 リトグラフ展 flat （ガレリア表参道）
2022年　多摩美術大学・版画専攻学生自主プログラム 修了制作展「栞」（新宿眼科画廊）

【受賞歴】
2018年
・第3回星乃珈琲店絵画コンテスト 優秀賞 / 土方先生
2019年
・第44回全国大学版画展 優秀賞

【掲載】
2020年
・カーサブルータス　2020年6月号