油絵は私が絵を描き始めた原点でした。

この十数年、描く事は正直言って、純粋に”描く事が楽しい”気持ちだけでは無くなってしまいましたが、描く事は私にとって言葉に出来ぬ思いをメモのように形に残す手段なのかもしれません。

2012年辰年、24歳の年男から、ふと思い立って描き始めた年賀状のシリーズです。その年の干支とその時の自分を勝手にコラボさせています。早いもので2023年卯年でちょうど十二支を一通りしました。墨で描き、空間にはコメント入れて毎年かなり年が明けてから出しています。

河鍋暁斎の絵日記に感銘を受けて、10年程前から絵日記を描き始めました。日付は飛び飛びですが、見返すと不思議な物で、描いた当時は不味く思った物も案外面白く、急に忘れていた事が、蘇ったりして、ライフワークにはあまりにもお粗末ですが、緩く続けています。

主にペンで一発描きです。

紙版画を始めた頃の作品です。油絵を描くのに息が詰まっていたころ、たまたま古本屋で手に取ったサキ短編集の文庫本の表紙の紙はんがの装丁で、楽しかった小学生の頃の図工の時間を思い出し、作り始めました。ハサミで切った紙の形がそのまま反転して刷り上がる心地がたまらなく、描く事が少し楽になりました。そのうちに菓子箱のツルツルした表面をカッターで削るとそこにインクがしみ込む事に気づいて、小さな絵をいくつも摺っていきました。和紙に墨