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Artist 湯川晴美 Yukawa Harumi

湯川晴美

INTERVIEWインタビュー

書道家から水彩画家へ転身し
深みのある作品を送り出す

“ アメリカに留学し本格的に美術を学ぶ „

 
 
書道の師範という異色の経歴を持つ湯川晴美さん。アメリカ留学をきっかけに水彩画を始めた。
 
 
「小さい頃からアメリカで書道を教えたいという漠然とした夢がありました。書道一色の日々で全国コンクールで大賞を受賞した時、『審査員にならないか』とお誘いをいただきました。しかし、若かったこともあり、人様の作品を自分が評価することに違和感を覚えたのです。もっと表現の幅を広げたい。そう思って祖父に相談したところ、『もっと勉強しなさい』と応援され、アメリカ留学を決意しました」
 
 
サンフランシスコ市立大学で語学の知識を深めるとともに、木炭画のコースを選択。初めて木炭画に触れた。
 
 
「木炭画を描くのに木炭鉛筆がある事さえ知らず、初めての授業には普通の鉛筆を持って行きました。そんな私に先生はゼロから教えてくれました。木炭画は白と黒の世界で、いかに表現できるかを考えます。その点が書道の世界に通じていると感じました。その後、色彩学の教授に出会い、さらに表現の幅が広がっていきました」
 
 
湯川さんはカリフォルニア大学バークレー校に編入し、芸術人文科学美術学部を卒業した。
 
 
「豊かな自然と大きな窓のアトリエ、自由に絵を描く学生に憧れて編入しました。学業を含め色々なプレッシャーからうつむいてキャンパスを歩いていたある朝、小川がキラキラと輝いているのが目に入って……。顔を上げると、そばの大きな木には美しいツタもキラキラと輝いていて、『これを描きたい』と思ったのです。それはどんな世界の片隅にも存在する美しさを証明しているようでした。すぐに絵の具と大きな紙を買いに行き、作品を描きあげました。ずっと私を見守っていてくれた先生はその作品を見て『自分の殻を破ったね』とおっしゃってくれました。この経験をきっかけに、その透明感と、すぐに感動を表現できる水彩画に魅力を感じました」
 
 

「花冠と残光」。花の生命とうつろう時の美しさが描かれている


 
 

“ タイトルも含めて1つの作品 „

 
 
さらに転機となったのは、2019年にイギリスを旅行した時の経験だ。
 
 
「旅行中は雨や曇りの日が続いていて、絵の方向性と向き合っていたその時の私の心情と重なりました。でも、太陽の光がないのに野原の黄色い花が色鮮やかに咲いている光景が、帰国後もずっと印象に残っていました。その経験から、自分のなかの輝いているものをもっと表現したいと思うようになりました」
 
 
湯川さんが絵の題材として多く取り上げているのが、花だ。
 
 
「例えば音楽を聴いた時に「これは雨音のようだ」「人が歩く様子のようだ」など情景が浮かぶ事があると思います。同じように、花などを見た時もその奥に浮かぶ物語やイメージに向かって絵を描いています」
 
 
湯川さんの作品の1つに「優しい羽音」という庭の花を描いた作品がある。
 
 
「明け方まで雨が降っていた日のことです。愛犬と一緒に散歩に出掛けようとしたら、庭の花は朝露に瑞々しく、私は大切な人のことを思い出していました。そんな時に蝶が飛んできて、お花に止まりました。何かのメッセージを伝えにきてくれたのかもしれない。そんな思いをこめて、この作品を制作しました」
 
 
「花冠の夢」「光の波」「青い雨のひらく道」……。作品のタイトルも1つひとつ湯川さんが考えている。
 
 
「私は言葉を大切にしています。言葉をひとつひとつ探して作品の世界観に合わせ、タイトルをつけています。同じように文章を考えSNSにアップする事も多いですね。私が制作する作品も言葉も抽象的。観る人の生き方や心のあり方によって、そこに浮かぶ情景は異なり、出会った人の数だけその創造性と繋がり世界が広がっていく事を願っています」
 
 

イギリスから帰国後に描いた「霧の花」


 
 

“ きれいなだけではなく、深い所に光る美しさ „

 
 
静けさと透明感を感じさせる湯川さんの作品。画材を選ぶうえでもこだわりがある。
 
 
「ただきれいなだけではなく、深いところに光る美しさを描きたいです。紙はアルシュ極細目と絵の具はセヌリエを主に使用、どちらもフランスメーカーのもので色彩の重ね方によって濁らないため、深く繊細な表現ができます。アメリカで水彩画を描いた時に出会い、原点に戻るように今も使用しています。また、静寂を表現するために書家時代の墨を使うこともあります」
 
 
近年は積極的に個展を開催したりグループ展に参加したりしている。作品を見た人から感想を聞き、感動したこともあったと話す。
 
 
「私の絵を見た人から『宇宙の始まりのような時間の存在を感じる』と言われた事がありました。その作品は、花の再生や力強さ、時間の経過を表現したいと思って制作。華やかな姿と一緒に、色褪せていく美しさも描きました。伝えたかった事が伝わっただけではなく、感想を頂く事で初めて作品が完成したように思えました。アトリエの中より絵も生き生きと嬉しそうに見えました」
 
 
これまでは花や風景を中心に描いてきた湯川さんだが、今後は人物画をもっと描きたいと語る。
 
 
「木炭画を学んでいた時は、人物画を中心に描いていました。日本に戻ってからは、人物を描く機会があまりありませんでした。けれども、日本橋Art.jp Webグループ展「大切な人への贈り物」展(2022年5月開催)に参加するにあたり、何を出展できるか考えていた時に、家族でお世話になっている大切な方から以前、「正面を向く人物画を見たい」とリクエストがあった事を思い出したのです。それをきっかけに、好きだった人物画をまた描きたくなりました。これまでお花を描いてきた経験も活かせるかもしれません」
 
 


 
 

夢のなかで湯川晴美

  • 制作年2020
  • 技法水彩画/ミクストメディア
  • サイズ27.3×22cm F3号
  • 額装あり
  • サインあり
  • 特記事項
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価格49,500円(税込)

花冠と残光湯川晴美

  • 制作年2022年
  • 技法水彩画/ミクストメディア
  • サイズ33.3×24.2cm F4号
  • 額装あり
  • サインあり
  • 特記事項
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価格77,000円(税込)

花の雲湯川晴美

  • 制作年2022年
  • 技法透明水彩/ミクストメディア
  • サイズ20×20cm 20×20cm
  • 額装あり
  • サインあり
  • 特記事項
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価格27,500円(税込)

5月の肖像湯川晴美

  • 制作年2016
  • 技法水彩画
  • サイズ41×31.8×0.1cm F6
  • 額装あり
  • サインなし
  • 特記事項
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買戻し保証
価格71,500円(税込)

森に咲く星湯川晴美

  • 制作年2017年
  • 技法透明水彩、水彩パステル
  • サイズ30×30×0.1cm 3
  • 額装あり
  • サインあり
  • 特記事項
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価格68,000円(税込)

花冠の夢湯川晴美

  • 制作年2020年
  • 技法透明水彩絵具、パステル
  • サイズ333mm×242mm F4
  • 額装あり
  • サインあり
  • 特記事項
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価格88,000円(税込)

青い雨のひらく道湯川晴美

  • 制作年2021
  • 技法透明水彩画
  • サイズ27.0×41.0cm F6号
  • 額装なし
  • サインなし
  • 特記事項
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買戻し保証
価格112,000円(税込)

優しい羽音湯川晴美

  • 制作年2021
  • 技法透明水彩絵具 パステル
  • サイズ333mm×242mm F4号
  • 額装なし
  • サインなし
  • 特記事項
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買戻し保証
価格78,000円(税込)

静かな日々湯川晴美

  • 制作年2021
  • 技法透明水彩画
  • サイズ41.0×27.0cm F6号
  • 額装なし
  • サインなし
  • 特記事項
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買戻し保証
価格98,000円(税込)

光の波湯川晴美

  • 制作年2020
  • 技法透明水彩絵具、パステル、胡粉
  • サイズ18.0×15.0cm F0号
  • 額装なし
  • サインなし
  • 特記事項
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買戻し保証
価格50,000円(税込)