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Interview: YOKO NAKAMURA

自分の居場所がなく思いつめた末に見つけた”光”がアリアの世界の原点です。

 
 

簡単に自己紹介をお願い致します。

 

 
私は兵庫県芦屋市に生まれました。
作品のコンセプトは『心の幸せ』で、光と闇で表現しています。
私は短期大学の芸術科を中退後、兵庫県西宮市の大石可久也氏に弟子入りし、3年間教授を賜わり、一陽会に出品し始めます。その間体調を崩し続け寝た切りに近い状態になって行きます。以後現在まで独学で、制作活動しています。
 
第38回西宮市展で、当時最年少で最優秀賞を受賞します。
二重審査になっていて、私は平入選から最終審査で評論家の亡き乾由明氏と増田洋氏に引き上げて頂き、画家として出発点に立つことができました。その後、関西一陽展で新人賞・奨励賞、一陽展で特待賞を受賞し、上野の美術館大賞展や兵庫県展など入選します。
1990年会友推挙から2010年の20年間一陽会の会友として所属し、2010年に退会。現在は無所属です。
 
2010年以後、海外のアートフェアを中心に出品しています。一陽会退会後、「アリアの世界」として絵と詩のオリジナルストーリーで描いています。
2003年には、アリアの世界を生み出すきっかけになって行く、詩画集『術』も出版しています。
主に、キャンバスの小・中作品を中心に描くようになります。金色を主体に童話の世界のような幻想的な画風で描いています。
 
現在、アリアの物語を書いています。アリアの物語は光をテーマにしています。
物語のキーワードとしてサンキャッチャーが出てきます。
2013年から絵の制作と並行して、ありあん工房としてオリジナルサンキャッチャーの創作もしています。
サンキャッチャーは、太陽の光を沢山小さな虹のように運び込むお部屋のアクセサリーです。虹と幸せを運んでくれると言われています。現代は生き苦しい世界だからこそ、実際に心の幸せを感じて頂きたいと想い、始めました。アリアの世界の物語と繋がっているのです。現在は、絵と物語、サンキャッチャー創作の方向で進めています。
 
私は今もPTSDで苦しみ寝込みがちで、人の多い所や電車で遠くに行くことができず、急に不安になって倒れたりするので、活動するのも生きて行くのも思うようにならないことが多いです。
自分のペースでこれからも前向きに活動していきたいと思います。
 

画家を目指そうと思ったきっかけは何ですか?

 
私は4人家族で長女として生まれました。
私の父は会社の仕事柄転勤が多かったです。私は絵が好きで、何処の県に住んでも近くの絵画教室には6歳の頃からときどき通っていました。両親からも誰からも褒められたことはありませんでした。学校でもクラスに上手な子が数人いると、私は6、7番目ぐらいのところでした。
 
小学校6年生のとき肋膜炎で倒れそれ以後から体調を崩し、中学高校は拒食症で苦しみ学校はほとんど通えなかったです。家にも学校にも自分の居場所はないと思いつめ傷つきとても苦しく、暗い少女時代でした。高校1年生の夏休みに死の覚悟を決め、安らかな気持ちで最後の一枚の絵を残そうと決意しました。
 
夢で見た、私の心を反映するようなモチーフの下書きを持って絵画教室に行ったとき、ある先生との出逢いが私を絵の世界に導いてくれました。
先生はその絵を観て「若いのに苦しい絵を描くんだね」と、私の追い込まれた気持ちを察してくれました。
先生の一言で心の中にあった重しが軽くなったような気持ちになり、その勢いで奈良ジュニア市展に応募したところ、その作品が評価され入選しました。
 
その教室で一冊の絵本を創りました。
そして先生がそこをお辞めになるとき、私を傍に呼んで「君の中にはキラッと光る光が見える、僕は言ったことを忘れるかもしれないけど覚えておいて」と言われました。私の中にも光があるのかと半信半疑でしたが、先生の言われた言葉を信じて生き直してみようと思いました。そして次の先生ともう一冊絵本を創り、心を育てて頂いたように思います。
 
その2人の先生との出逢いが、私に生きる力を与えてくれたと思います。
その時、いつか本当の物語を絶対に創ろうと思いました。私の絵で人を感動させてみたいと心から思いました
それが、画家になりたいと思った始まりです。アリアの世界の光を描きたいと思った原点です。

 

作品に出てくるアリアについて聞かせてください。

 

   命の扉 愛 アリア 秘密の呪文 F10号 

 
どのような思いや経緯で“アリア”が誕生しましたか?
 
あるとき夢の中で、私の心の中の私、女の子に出逢いました。目が覚めたとき、女の子の名前はアリアと脳裏にありました。
“アリア”その女の子は、誰の心の中にも居る心の世界の主人公です。
音楽の世界ではアリアとは、叙情的に投影されたイメージが愛の表現として使われていることが多いです。私の生み出したアリアも、そのような意味があるように思います。
 
作品に込めた想いは?
 
私は光をテーマに、心の幸せ・生命の大切さ・平和への願いを込めて描いています。
私はそういう絵の世界観を、詩や物語として表現することに現在チャレンジしています。今、アリアの世界の物語を制作中です。

 

印象に残っている展覧会や出来事はありますか?

 

   術 命の魔鏡 あなたはだあれ? P30号 

 
第38回西宮市展で、最優秀賞を受賞できたことです。
当時私は、病気が悪化して苦しんでいました。制作活動することが困難になり、ほとんど寝た切りで、画家として生きる希望も失いかけていましたが、絵筆だけは手放しませんでした。
 
当時、西宮市展はレベルが高いと有名で、入選するのも大変と言われていた展覧会でした。
その頃必死な想いで描いた「会話術」という作品が、突然最優秀賞を受賞したことでした。二重審査で私は画家審査の絵画部門平入選で、全部門の評論家3氏による最終審査に残りました。乾由明氏、増田洋氏に引き上げて頂き最優秀賞が決まったそうです。複数メディアに取り上げられ、人前に出ることが出来ない状態でしたが、勇気を振り絞り授賞式に出席しました。増田洋氏の話で、まだ粗削りだけど将来性を見てくださったことを知りました。そして大石可久也氏からひとりの画家として認めて頂き、画家としてスタートを切ることが出来ました。
 
生きる希望を失いかけた私に、一縷の希望の光が私を奮い立たせました。
その後に増田洋氏にお会いしたことはないけれど、他界されるまでお手紙で繋がってくださったことに感謝しかありません。
親にも誰にもほとんど褒められたり認めて貰えなかった私が、はじめて可能性を認めて貰えた出来事になりました。
 
そして2011年に第1回国際ピース・アートコンクール(N.Y.)U.S.A.に「術  命の魔鏡 あなたはだあれ?」という作品で、沢山の応募の中からベスト50人の中に選出して頂けました。この作品は、西宮市展の「会話術」の進化した作品のように思います。たった独りで応募するのは言葉の壁もあり、私にとっては至難の技でした。
この2つの展覧会への挑戦がなければ今の私はなかったでしょう。印象に残っている出来事です。

 

独学でどのようなことを学びましたか?

 
・人としての礼儀と言葉の使い方です。
・光を感じる絵を描くことが苦手な私は、数枚の写真や図柄やイラストを何秒か見て、美しい明るい色だけを使いフリーハンドで、自分の感性で光をイメージした絵を1日1枚練習していました。
 

自分のオリジナリティはどこにあると思いますか?

 
・人の作品を見たり、影響されないことです。
・金地を下地にして描くことです。
・東洋西洋日本画というカテゴライズにとらわれない作風を目指して日々精進しています。
 

作品を作る上で大切にしていることはありますか?

 
自分の世界観を大切に、ブレない姿勢で描くことです。
 

最も苦しかったことは何ですか?

 
体が弱いので、自分の出展している展覧会になかなか足が運べないことです。
 

絵を描くヒントを得るために何かしていることはありますか?

 
自分で写真を撮って、多面的に考察するように心がけています。
 

最も「自分らしい!」と思う作品があれば教えてください。また、その理由を教えてください。

 

    Black Cat Aria 天眼術 SMホール 

 
Black Cat Aria 天眼術。
「あっ これがアリアだ」とはじめて思えた作品だからです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

これからどんなことに挑戦していきたいと思いますか?

 
自分自身思うのですが、今までは多くの人々に暗くネガティブな表現をする作家だと受けとめられていたと思うのですが、明るくポジティブに受けとめて頂けるメディアミクッス的なクリエーターに成長して行きたいです。
 
 
 


 

  YOKO NAKAMURA  

 
     
 
私は光をテーマに、心の幸せ・生命の大切さ・平和への願いをこめて描いています。
私はそういう絵の世界観を、詩や物語として表現することに現在チャレンジしています。

▼経歴
日本 兵庫県に生まれる
短期大学 芸術科 中退 現在無所属
以降現在まで独学
1990~2010年 一陽会会友 東京都美術館 大阪市立美術館
 
▼個展
2013年 「画家アリアの世界 魔鏡の森」 甲風画苑ストリートギャラリー 兵庫 西宮
2017年 「アリアの世界―神様からの贈り物」 GALLERY ART POINT 東京
2019年 Web個展「アリアの世界」 日本橋Art.jp
 
▼受賞歴
1986年 第24回関西一陽展新人賞 大阪市立美術館 
1987年 第38回西宮市展最優秀賞 兵庫 西宮
1988年 
第26回関西一陽展奨励賞 大阪市立美術館 
第34回一陽展特待賞 東京都美術館 大阪市立美術館
第6回上野の森美術館大賞展 入選 東京
兵庫県展 入選 兵庫
1989年
第35回一陽展特待賞 東京都美術館 大阪市立美術館 
1990年
第36回一陽展 会友推挙 東京・大阪
西宮市展最優秀賞・優秀賞受賞者展 西宮市立市民ギャラリー 招待出品  西宮
2009年
第26回FUKUIサムホール美術展 入選 福井
2010年
第27回FUKUIサムホール美術展 入選 福井
2013年
第3回絵画を出品して好きな絵を選ぼう コンテスト
甲風画苑ストリートギャラリー 展示 入賞 西宮
第3回創作表現者展 ドラード審査員特別賞 早稲田スコットホールギャラリー  東京
 
▼グループ展
1989年 姫路ルネッサンス・スクエア 姫路
2005年 Kamakura芸術展 鎌倉芸術館ギャラリー 鎌倉
2007年
淡路大磯アート山と第4回愉快な仲間たち展
淡路市立ひがしうら文化館サンシャインホールギャラリー 淡路
2008年 一陽会兵庫作家展  兵庫県立美術館 原田の森ギャラリー 神戸                       
2009年
14th ART ACADEMY JAPAN  上野の森美術館 東京
一陽会関西作家展 兵庫県立美術館 原田の森ギャラリー 神戸   
秋の洋画展
2009年 ギャラリー・エデル企画展 宝塚
2010年 一陽会 退会
2012年
第2回創作表現者展 早稲田スコットホールギャラリー 東京
愉快な仲間たち展 in 淡路夢舞台 アート山10周年記念
淡路夢舞台・国際会議場 2F回廊ギャラリー 淡路
2013年
第4回小さな絵の大博覧会 ドラードギャラリー 東京
2014年
Neo琳派展 ドラードギャラリー 東京
第5回小さな絵の大博覧会 ドラードギャラリー 東京
『THE空想画BOOK』出版記念展 ドラードギャラリー 東京
第4回創作表現者展  早稲田スコットホールギャラリー  東京
A.M.S.C. スペイン本部芸術家会員認定 2014
2015年
オトギのモチーフ展 ドラードギャラリー 東京
第9回アートサラダ展 SoHo Art Gallery 大阪
第1回「I LOVE 地球展」ドラードギャラリー 東京
Life2015展 GALLERY ART POINT 東京
第5回創作表現者展 ドラードギャラリー 東京
2016年
New Year Selection 2016 GALLERY ART POINT 東京
Fantasia 2016 GALLERY ART POINT 東京
TRANSNATIONAL ART 2016 江之子島文化芸術創造センター SoHo Art Gallery企画 大阪
第10回アートサラダ展  SoHo Art Gallery  大阪
第2回Christmas Art Competition in YOKOHAMA 横浜赤レンガ倉庫 神奈川
2017年
TRANSNATIONAL ART 2017 江之子島文化芸術創造センター SoHo Art Gallery企画  大阪
第11回アートサラダ展  SoHo Art Gallery  大阪
吉田杯小作品コンテスト 芝田町画廊  大阪
2018年
EMP GALLERY展 EMP GALLERY 東京
ひとびと SMART SHIP GALLERY  東京
Art World in Japan ギャラリーPARADE  大阪
2019年
Web展覧会 美人画展 日本橋Art.jp
なかざき動物園 Gallery IYN  大阪
第1回『心』の色・かたち展 Gallery IYN  大阪
Gallery IYNと歌川国芳展 Gallery IYN  大阪
2020年
Gallery IYNと安藤広重展 Gallery IYN  大阪
 
▼海外コンクール
2011年
第1回国際ピース・アートコンクウール(N.Y.)U.S.A. 入選
 
▼海外展
2019年
パリ展 ジャポニズム2018認定 ギャラリーメタノイヤ Paris 推薦出品
 
▼ART FAIRS
2010年
artbygeneve 2010 / PALEXPO GENEVE, Switzerland
ART SANTA FE 2010 / Santa Fe Convention Center U.S.A.
2011年
ART SANTA FE 2011 / Santa Fe Convention Center U.S.A.
RED DOT NEW YORK 2011 / 82 Mercer, Soho, N.Y. U.S.A.
2012年
VERGE ART NYC 2012 / 159 Bleecker Street in Greenwich Village U.S.A.
Daegu Art Fair 2012 / EXCO (DAEGU Exhibition & Convention Center) Korea
2013年
ART SHOW BUSAN 2013 / BEXCO Exhibition Hall 2, Meeting Room Korea
RED DOT MIAMI 2013 / Wynwood art district U.S.A.
2014年
ART SANTA FE 2014 / Santa Fe Convention Center U.S.A.
RED DOT MIAMI 2014 / Wynwood art district U.S.A.
SELECT FAIR 2014 / Altman Building U.S.A.
2015年
Art Shopping 2015 / Carrousel du Louvre, Paris France
2016年
Art Shopping 2016 / Carrousel du Louvre, Paris France
2017年
ART INTERNATIONAL ZURICH 2017 / Puls5-Giessereihalle  Switzerland  
2018年
ART INTERNATIONAL ZURICH 2018 / Puls5-Giessereihalle  Switzerland  
2019年
ART INTERNATIONAL ZURICH 2019 / Puls5-Giessereihalle  Switzerland
2020年
ART INTERNATIONAL ZURICH 2020 / Puls5-Giessereihalle Switzerland
 
▼出版
2003 
詩画集『術』 出版
2014年
TH(トーキングヘッズ)叢書57 アトリエサード Neo琳派展 出品作掲載
ロレンス・ダレル『サッフォー』川野美智子訳 表紙絵
『THE 空想画BOOK』ドラードギャラリー 掲載
2019年 『ART & DESIGN』誌 パリ展 ジャポニズム2018認定 出品作掲載
 
▼誌上
2008年 国際芸術栄誉賞
2008年
大賞 受賞 (BIFOREST 誌上)
日・米・蘭 芸術アカデミー協会 『BIFOREST Vol.9』紹介 
2013年 『現代日本の絵画 Vol. 5』 ART BOX インターナショナル
2018年 『PEACE CREATOR』
 
▼年鑑
2008年 画家年鑑  掲載
2014年 美術年鑑 掲載 
 
▼サンキャッチャーの制作
2013年 あり・あん工房 結成(サンキャッチャー創作)
2014年 ART&CRAFT FAIA SoHo Art Gallery  大阪
2015年 ART&CRAFT FAIA SoHo Art Gallery  大阪
2018年 高槻西武 催し会場
2019年 Three Star KYOTO “Art World in KYOTO” 催し会場
くずはモール 「春の絵と手しごと展」 催し会場
くずはモール 「きゃわいい共和国」 催し会場
Shop IYN
 
 
 

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