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Interview: TAKARA

TAKARAインタビュー

 
 

“ 空想画を描き始めた大学時代 „

 
 

-絵を描き始めたきっかけについて教えてください。

「最初に描き始めたのは子どもの頃で、好きな漫画を真似して描いていました。今の作品につながるような空想画に取り組み始めたのは、大学時代からです。美術を専門とする大学ではありませんでしたが、美術科を専攻していました。あるとき教授から「一冊のクロッキー帳に好きな絵を描いて、すべて埋めてきなさい」という課題が出されたんです。そのとき、試行錯誤をしながらペン画にたどり着きました」

 

-現在は、ペン画とアクリル画をメインに作品を作られていらっしゃるのですね。

「そうです。大学でクロッキー帳の課題が出たときに、水彩や色鉛筆、油絵など、さまざまな画材を使いましたが、自分に合っているのはペン画とアクリル画だと感じました。特にペン画は、線を重ねて描いていくところが好きです」

 

-作品のイメージによって、ペン画とアクリル画を使い分けているのでしょうか?

「最初から『これはアクリル画がいいな』とか、『これはペン画だな』と思うこともありますし、その日の気分で選ぶこともあります。よく選ぶモチーフは宇宙や地球、木、クジラ、街並みなどで、実際にある風景よりも、目に見えない空想の世界を表現することの方が多いです」

 
 

 
 

“ 自分の感覚に従い、未知の絵を導き出す „

 
 

-作品を描く際は、最初から完成形のイメージがあるのでしょうか?

「アクリル画の場合は、ある程度のイメージを持って描き始めることが多いです。でもペン画は、『ここに線を描いたら気持ちがいい』とか『ここに描くと、ちょっと違和感がある』といったような、自分の内側にある感覚に従って描いています。この描き方だと雑念が入りませんし、自分でも思っていなかったような絵ができあがるんです。完成するまで、どんな絵に仕上がるかわからないという面白さがあります」

 

-絵を描く手順としては、下書きから始めるのでしょうか?

「ペン画の場合は、鉛筆で下書きをしています。実は下書きが一番時間のかかる工程で、自分の中でしっくりする線が見つかるまで迷いながら作っていきます。一方、アクリル画で下書きをすることは、ほとんどありません。こちらは最初からイメージがあることの方が多いですし、かえって下書きをしない方がスムーズに描ける気がします」

 

-これまで作られた作品の中で、特に印象に残っている絵はありますか?

「私のInstagramにもアップしていますが、「galaxy」という作品です。これは具体的な何かを描こうと思ったわけではなく、最初から自分の感覚のみに従ってペンを走らせました。出来上がったものを見て、これが自分の中にある宇宙なのかなと感じたんです。私は以前から、人や動物、植物など、あらゆる生き物の中に宇宙があると思っていて、この「galaxy」という作品では、そんな自分の中の宇宙がにじみでてきたように思います」

 
 

 
 

“ 誰もが好きなことをして暮らせる世界へ „

 
 

-オーダーアートも手掛けていらっしゃると伺いました。

「まだ始めたばかりですが、いくつかご注文をいただいています。最近、特にうれしかったのは、前に私の絵を買っていただいたお客様からのオーダーです。ずっと私のペン画を好きでいてくださって、このときはオーダーアートに加えて既存の作品もご購入いただきました。とても気に入っていただけて、本当にうれしかったです」

 

-ご自身の作品とオーダーアートでは、作り手として印象の違いはありますか?

「作品づくりは自分の内側に深く入り込んでいくのに対して、オーダーアートはお客様の要望に応えていくという面白さがあります。以前、勤めていた職場で似顔絵を頼まれることが多く、そのときに楽しいと思ったのがオーダーアートを始めるきっかけでした。きっと、どちらも自分の性に合っているんだと思います」

 

-最後に、今後の展望について教えてください。

「絵に限ったことではないのですが、昔から自分が理想とする世界に住みたいというのが夢でした。自分だけでなく、周りのみんなも好きなことをして暮らせるような、楽しいものや不思議なものにあふれた世界。自分の周りにある日常を、そういう世界に変えていけたらと思っています。そのためにも私は、好きなことである絵を描き続けていきたいですし、ほかにも自分にしかできないさまざまなことを手掛けていきたいと思っています。私が描いた絵を見てくれた人たちが、少しでも明るい気持ちになってくれたらうれしいです」

 
 

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