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Interview: 骨かく

デジタルアートに自分の想いを乗せて…

 
 

“ 画業を始めたのは自身のうつが転機だった „

 
 
「画業を始めたきっかけは、絵を描くのが好きだったことと、うつ病になったことがきっかけです。幼少期から絵を描くことが好きで、よく描いていましたね。というのも、言葉や文章を書くのはあまり得意じゃないので、何かを伝えようとする時は、絵の方が自分には合っているのかなと思っています。とくにうつになった時は、自身の好きなことである絵を通じて、自分の想いや気持ちを表現・発信していきたいと思うようになったのが、画業を始める大きなきっかけでした。」
 
大学は工学系の学部へ進み、その後は大学院の博士課程へご進学された骨かくさん。大学院2年時に研究室の先輩から話があって、仕事をしながら博士課程に通うことになったそうだ。しかし、そこでうつ病にかかり、3年間休学をすることに。このうつが骨かくさんの画家という新たな扉を開くきっかけとなった。
 
「実際、今まで描いてきた作品の中でも「うつにん」という絵が、自分の中で一番好きです。この絵は自分自身がうつになった後に描いた絵なんです。うつの原因なども分かった上で描いた絵なので、自分の想いや気持ち、考えを最も表現できたと思っています。」
 
 

 
 

“ LINEスタンプの制作を機にデジタルへ „

 
 
「絵画の中でもデジタルアートの領域に踏み入れたのは、元々パソコンを使うことが多かったというのが大きいですね。現在のように画業を本格的に始める前の大学生の時に、LINEスタンプを作ったことがあって、今振り返るとこれがデジタルアートの領域に踏み入れる始まりだったなと思います。LINEスタンプの制作を通じて、デジタルだと早く、なおかつ自由に表現しやすいなと思い、デジタルアートの魅力を感じてこの領域に踏み入れました。」
 
昨今デジタルが加速する世の中で注目されているデジタルアート。伝統的なアートではできなかったことが、できるようになった部分も多く、今後より一層デジタルが加速する中でさらに注目されていくだろう。そんなデジタルアートを手掛ける骨かくさんに、制作工程や影響を受けた画家についてお聞きした。
 
「デジタルだと保存や手を加えやすいので、とりあえず書いてみた後に、また「消して・描いて」の繰り返しですね。ペイントソフトは、どのソフトも似たような点があるので比較的わかりやすく、慣れたら楽しいですし、自分にはとっつきやすかったですね。また、画家マウリッツ・コーネリス・エッシャーさんの錯視を利用した作品は、幼少期から好きで、面白いなと思っていました。」
 
 

 
 

“ 自分の描いた絵から何かを感じ取ってほしい „

 
 
「これまでに一番嬉しかったことは、Instagramで公開した絵に対して、コメントをいただけたことです。「絵が好きです」と言ってもらえたら、やっぱり嬉しいですね。絵で悔しい想いをしたこともありますが、観てくださっている人からの言葉をいただけることで、前向きな気持ちになれます。」
 
普段から考え事をしている骨かくさんは、その考えていることの中からとりあえず描いてみることが多いそう。その他には、ご自身の好きな漫画やアニメ、物語・小説などからも、いろんな考え方を学んで画業におけるヒントを得ているんだとか。最後に、画業へのこだわりや大事にしている点を伺った。
 
「画業をする上で最もこだわっている点は、オリジナリティのあるものを作ることです。見たことのあるようなものは、あまり作りたくないなと思っています。また、不快感を与えるものも書きたくないですね。そして、自分が何か思っていることや考えてることを一つひとつの作品に表現できたら良いなと思っています。でも、自分の想いや考えがそのまま伝わってほしいということはそこまで望んでいません。それよりかは、その絵を観た方が、また何かを感じ取ってくれたり、考えたりしてくれて、さらにそれを自分も知れたら嬉しいなという気持ちがあります。日本橋アートさんで、Web個展が3月に行われます。一番近くの目標としては、そのWeb個展で自分の絵を観てくれた人からレスポンスをいただけるような絵を描きたいなというのが直近の目標です。」
 
 

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