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Interview: k.naoya

“世の中を揺るがす、衝撃を与えるような作品を創りたい”

 
 
昨今はこれまでの常識が崩壊し、新たな時代の到来を予感させる出来事が起こっているように感じている人も多いかもしれませんが、今の現役美大生は未来にどんな目を向け、何を目指しているのか?
k.naoyaさんのインタビューからは希望を含む新鮮な風を感じずにはいられませんでした。
 
 

“ 「人々を目覚めさせるために」 „

 
 


 
 

―naoyaさんは現役の美大生ですが、子どものころから絵を描くのが好きだったのでしょうか?いつごろからアーティストになりたいと思っていましたか?

 
「高校3年の進路を決めるときに美大を受験すると決めたのですが、実は絵を描くのは好きな割に、あまり描いていなかったんです(笑)
受験を決めてからは必死に描きましたけど、、。
はっきり覚えているのですが、幼稚園生のころから将来はアーティストになると思っていました。
自慢に聞こえるかもしれませんが、その頃から絵を描くのが好きで、自分は絵がうまいと思っていました。
当時、お母さんやお父さんの絵を描く課題があったのですが、みんな大きく顔を描いて肌色に色を塗っていて、似たような絵を描いていたんです。
でも僕はあえて「棒人間」を描きました。
それはみんなもっと違う表現をしようよ、ということが言いたかったんです。
大げさに言うと、みんなを目覚めさせるために描いたんですよね。」
 

―それは、なんとも天才的なエピソードですね!
自分はみんなを目覚めさせる存在だとその時から自覚していたということですね?

 
「そうですね(笑)本当に自慢とかではなくて、素直にそう思っていました。
悪く取られると嫌なのであまりこの話はしないですが、いわゆる「根拠のない自信」みたいなものがありました。」
 

―子どものころの方が、実は自分が本当にしたいことをわかっているのかもしれませんね。
「根拠のない自信」ってアーティストをしていく上では最も必要なことだと思います。

 
 

“ 「食わず嫌いせずに試していく」 „

 
 

―そんなnaoyaさんは美大生になってからどんな作品を制作しているのでしょうか?
もしこれは自分の代表作だなと感じるものがあったら教えてください。

 
「2点あるのですが、まず一つ目は新聞紙を使った作品です。
「アンタイトル」としていますが、様々なサイズのものを作りました。
これは自分の思いつきでふと作ってみよう、と感覚的に作った作品で、、、。
新聞紙を重ねて帯状に畳んでそれを板に貼っているのですが、新聞紙の外側しか接着していないので内側は剝がれ落ちそうな状態になっているんです。
それが、見ている人にとってはこちらに迫ってくるように感じられて、独特な感覚、ドラマを感じられる作品になっているのではないかと思っています。」
 
 



 
 

―なるほど、面白い発想ですね。naoyaさんは油絵専攻ですが、それにこだわらずにこういう作品も作られるのですね。

 
「はい、素材でもテーマでもなんでも食わず嫌いというか、今はどんなものにでもチャレンジしようという気持ちでいます。それよりもテーマとか、人にどのような影響を与えるかを考えています。」
 

―この作品は、何かテーマがあるのでしょうか?

 
「作ったときはとても感覚的に作ったのですが、日ごろから社会と関わって影響を与えるような作品を創りたいと思っていて、これについてはSDGsを少し意識しています。
世の中にあるごみとして扱われているものを使って作品にすることによって価値を高めたり、価値を生み出したりすることを意図しています。
こだわりを持たずに新しい表現を試していきたいと思っていて、この作品は自分ではそれが実現できたかなと思っています。」
 

―なるほど。世の中にある価値を逆転させたり、作り出したりできるのは、まさにアーティストの特権というか、素晴らしい役割ですよね。

 
 

“ 「人の美意識を目覚めさせる」 „

 
 

―2つ目の作品はどんなものですか?

 
「これは大学の中なのですが、大学に置いてある机を非合理的に、美しいと感じる配置で置いた作品です。いわゆるインスタレーション作品です。」
 
 



 
 

―なんだか、とても斬新な発想です!
この作品を創ろうと思った理由というか、制作の意図は何ですか?

 
「普通机というものは、お店に入るとお客さんが食べやすいように、座りやすいように合理的に配置されていますよね?
 その「普通はこうだ」という思い込みを裏切り、違和感を感じさせることが目的です。
日常の凝り固まったものの見方は、少なからず人に影響を与えているはずです。
 例えば自分たちは気づけばスマホをさわっているとか、まったく自然のないところで当たり前のように過ごしたりしていますが、本来それってとても偏った、不自然なことをしているのにその日常に埋没してしまって、違和感を感じなくなっていると思うんです。
 そうしていることで問題の解決法も限定されていると思っていて、それを打破する意図で作りました。」
 

―この作品にそんな背景があったのですね!驚きました!

 
「机を美しいと感覚的に感じる感性を呼び覚ますというか、人が本来持っている「美意識」を呼び覚ますことで、従来にはない問題解決法になると思っています。
 合理的に解決できない問題を、非合理に解決することができるんじゃないかと。
それを実験している感じです。」
 

―とても新しい視点ですね。これからの世界が楽しみになってきました。
 naoyaさんのこれからの展開に期待しています!

 
 
現役美大生のnaoyaさんがこんなにも深く世界のことを考え、新しい時代を見据えて作品を創っていることに感動しました。そして、これからの世界に希望を感じました。
自分の感覚をリニューアルしたい方はぜひ作品に触れてみてください。

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