山下博己は1951年日本の静岡市に生まれる。本人も驚くことに、それは朝鮮戦争が始まった翌年のことである。幼い頃から漫画が好きだったが、ある思い出の一つに、保育園の夕暮れ、夕焼け空を飛ぶカラスに声を掛けられながら、それを気にしつつもひたすら保育園のたたきに蝋石(ろうせき)で漫画を描いていたというのがある。
高校生の終わりの季節、手ひどい失恋の涙の中で見た「風景画入門」という水彩画技法書の表紙絵が、本格的に絵を描く動機となった。
静岡大学で数学と美術を学びつつも、その頃は無謀にも文学で身を立てようなどと考えていた。
1992年のある日、東京近代美術館でイサム・ノグチの展覧会があった。彼の夥しい作品を前にして、死ぬのなら美術の中で死にたいという妄想に捕われ、再び美術に戻り、現在に至っている。
「体験したことのない“自由の感覚”を目指して、現代に訴える作品を発表していきたいと思っています。そして、作品そのものがその時語りたいことのすべてです。」
【略歴・個展・グループ展】
1951年
・静岡市(旧清水市)生、静岡市在住。
1975年
・静岡大学教育学部自主退学(大学入学前後より絵を描き始める。)
1978年
・以後、詩、小説に専念。
1992年
・再び美術活動を始める。
1994年
・第4回紙わざ大賞(静岡)
・但馬・理想の都の祭典全国“水”シンポジウム・アクアカルチャー大賞(写真) (兵庫)
1995年
・第13回伊豆美術祭(静岡)
・いたばしエコロジカルアート展(東京)
・第4回リビングアート・コンペティション(東京)
・第2回トリックアートコンペ(福井)
1998年
・第27回現代日本美術展(東京、京都)
2000年
・第5回昭和シェル石油現代美術賞展(東京)/第1回 ASIAN DREAM アートコンクール 2000(傑作記念賞受賞)(東京、web)
2003年
・前橋アート・コンペ・ライブ 2003(前橋)/GEISAI 4(東京)/GEISAI ミュージアム(ランキング24位/277)
2004年
*第15回伊藤園お〜いお茶新俳句大賞(優秀賞受賞)
2005年
第1回あーと屋雑貨展(うふふ賞受賞)(東京)/GEISAI 8(東京)
2006年
・TOKYO ART COLLECTION (ART INDEPENDENT CONTEST)(東京)
2010年
・100 Artist Exhibition in New York (New York) /第27回FUKUI サムホール美術展(福井)
2013年
*第24回伊藤園お〜いお茶新俳句大賞(審査員賞受賞)
2015年
*第26回伊藤園お〜いお茶新俳句大賞(佳作賞受賞)
2020年
・Mellow Art Award 2020 (web)
(* 文学関係)
その他、2011年のNYCでの個展を含め、ほぼ毎年個展開催。