現在は国際ファッション専門職大学でファッション(社会、文化、流行)を学びながら、アクリル画を主に服飾表現を使った作品制作を行なっています。
　2000年生まれ長野県出身の宮坂 青 / Miyasaka Ao. は、 2021年 初個展「21歳が『生』を本気で考える展」より本格的に作品を発表し始め、現在では福祉やファッションの現場にアートを掛け合わせた活動を行なっている。芸術に心理療法をかけ合わせた「アートセラピー」のセラピストとしても活動する彼女は、「芸術で目の前のひとりに向き合いたい。芸術は個人が既に持っている大きな力を取り戻す・見つける・育むパワーがある。」と話す。
　様々な分野でアートの力が叫ばれている今、彼女は何故「社会」と向き合うのか。それは彼女の家庭環境や性犯罪被害など、現代社会に存在する様々な問題が関係する。
　日本は課題先進国とされ自殺や貧困、虐待や性犯罪など多くの問題を有する。 しかしそれらは経験してはじめて理解できる側面も強く、自己責任論の展開やそもそもの無関心により問題が問題として浮き出てこない分断現象が起こるなど、一筋縄ではいかない。
　だからこそ複雑な家庭・性犯罪被害のいち経験者として苦難を打ち砕き、今困難な状況にある人、そしてそれを超え前に進む人の幸せを心から祈る作品を創っていると彼女はいう。
　また、「同じような経験をしたとして、その時に得る感情が全く同じなんてことは絶対に無い。けれど、全く違う経験をしたとしても共鳴できる部分があることも確かだと思う。だから、私という「ケース１」の中にある前向きな部分が見てくれる人と共鳴できたら私はとても幸せです。それと、明るい部分だけでなく肯定されるべき複雑な想いを得て、前を向くための燃料にする事も経験者だからこそできる役割かなと思っています。」と宮坂は言う。
　自分のクリエイションで目の前の誰かに少しでも良い事があればいい。そして自分のクリエイションから社会に着実にアクションを起こしていく。
　10年後、幸せに生きていられますように。
　
【略歴】 2000年 ■ 長野県松本市生 2018年 ■ 帝京平成大学鍼灸学科 入学(途中退学) 2021年 ■ 国際ファッション専門職大学国際ファッション学部クリエイション学科 入学(2025年3月卒業予定)
【個展】 2021年9月 ■ GALLERY表参道ROJI「21歳が『生』を本気で考える展」 2022年3月 ■ GALLERY表参道ROJI「一本の糸展」 2022年5月予定 ■ GALLERY表参道ROJI「Coexistence & Symbiosis 展」