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Artist ひなたすみこ Hinata Sumico

ひなたすみこ

INTERVIEWインタビュー

油絵をあみぐるみ。平面と立体から世界観に誘い込む。

絵本の1ページのような油画とあみぐるみ

「油絵とあみぐるみの制作をしています。どちらも統一した世界観で、同じ信念を持って作っている作品たちです。 童話らしく物語性のある世界観を大切にしています。あみぐるみは小学校の頃に母にならって初めてつくりました。絵は子どもの頃から好きで、中学と高校では美術科に進み、本格的に絵の勉強を始めました。大学も美術大学へ進学し、色々な作品を描いてみた後に油絵を専攻に選びました。」  
 
ほんわりとしたかわいらしさを見る者の胸に届けるひなたさんの作品たち。子どもの頃からお好きであり、身の回りにあった表現方法である油絵とあみぐるみを見事に組み合わせた素敵な作風だ。作者の中でかなり密にストーリーがある絵画というのもなかなか珍しいのではないだろうか。絵本の1ページのような絵画について、ひなたさんはこう語った。  
 
「物語性を大切にした方向性で表現をしていきたいと思っています。学生時代の研究室で、言語化をすることを大切にする恩師に出会いました。そこで"1枚の絵の中で物語をなぞる"ということを覚えます。設定やテーマなど、絵本のプロットを考えるかのようにモチーフを組み立て世界観を作り上げていきます。私の中で特に抑えたいポイントや"ここはどうしてもこの色が使いたい"というものをあらかじめ組み立てておくんです。これは制作中の自分を助けてくれるものにもなります。私は油絵とあみぐるみを制作していますが、その際には平面と立体をつなぐように、同じ世界観を同じ信念で表現しています。 油絵と同じ世界戦をあみぐるみで表現しようとしている時、指先に、絵の中に入っていくような不思議な感覚を覚えることがあるんです。」

大切なキャラクター"したてやさん"

「魔法使いの"したてやさん"というキャラクターがいます。したてやさんはお洋服を仕立てる仕事をしていて、1人弟子をとっていますよ。糸を吐くのが得意なイモムシからアイデアを得ました。そんなしたてやさんが登場するのは、イギリス風の世界観の森の中です。森に住んでいるしたてやさんは、花や自然が大好き。その森の中で私は自然物に神が宿るようなファンタジーを描いています。そして、したてやさんが暮らしている森の中にはお馬の女神様が暮らしてるんです。」  
 
ひなたさんにとって大切なキャラクターのひとりである”したてやさん”は、柔らかいクリーム色をした才能あふれる魔法使いのキャラクター。とても柔らかな世界設定をたくさん紹介してくださり、伺いながらとても気持ちが高揚した。実はしたてやさんも、平面として油絵に登場するだけではなく、あみぐるみがあるのだそうだ。今回、そのとてもかわいらしい"したてやさん"のあみぐるみを見せてもらうことができた。  
 
「したてやさんのあみぐるみはイベントに一緒についてきてもらうことも多いです。絵本の物語をベースにするほか、食べ物をモチーフにしたあみぐるみもあります。10センチ程度の大きさで、きょうだいや同じ種族のようにテーマが似たあみぐるみを複数作ることも多いです。幼い頃は買ってもらった本をもとに初歩的なあみぐるみを作っており、大学時代には爬虫類が好きな先輩にプレゼントするため、大きなトカゲのあみぐるみをつくりました。そこで恐竜などのモチーフに着目するようにもなりました。手芸が楽しいなと本格的に思い始めたのはその頃だと思います。自分が好きなものを自分が好きな手法で作ってみたらどうなるのかと考えました。あみぐるみの編み目を私は"あたたかみ"だと考えています。物語の中の命として、立体で油絵を作るような感覚です。」

空気の色や温度を豊かに表現して

「好きな季節は春から初夏にかけてです。だから全体的に黄色っぽくて柔らかい印象の作品が多いのかもしれません。みどりが芽吹くような、あたたかい空気が部屋の隅にまで満ち満ちているような空気感が好きです。漠然としていますが、春を感じることができるピースです。もちろんお花を見に行ったりして春を感じることも好きです。」  
 
そう語るひなたさんはご実家がお茶の農家さんなのだそうだ。みどりの濃いにおいが充満している空間に慣れ親しんできたというひなたさんだからこそ、これほど伸び伸びと空気の色や温度を豊かに表現されているのだろうと感じた。柔らかくかわいらしい、あたたかなものが似合う印象のひなたさんは、生き物も独自のかわいらしさで制作される。したてやさんはイモムシから着想を得たキャラクターで、独自のアレンジを積み重ねひなたさんだけのキャラクターと進化された。また恐竜のあみぐるみシリーズもとてもかわいらしく尋ねてみると、童話的な恐竜も、博物館の恐竜の模型も大好きなのだという。大古のロマンを感じさせるものにも胸が高鳴るのだそうだ。そう語るひなたさんは好きなものを表現することに一際敏感な作家さんのように感じる。  
 
「作品を制作する時には、ぽんとイメージが湧く時もあれば、何か描きたいし作りたいけれど何にしようかと迷ってしまうこともあります。そんな時には今いちばん楽しいと思っているものから連想ゲームを始めてみて、イメージを組み立てていきます。油絵とあみぐるみ。どちらも自分の好きなものを用いた表現で、好きなものに浸っていたい。そしてその世界観に見ている方にも没入していただけたら嬉しいと思っています。私のあみぐるみの背景には私の油絵を飾ります。平面と立体を組み合わせて出来上がる世界観を楽しんでいただけたら嬉しいです。」

EXHIBITIONS展覧会情報

2023.07.01 ~ 2023.07.31

WEB GROUP EXHIBITION
Summer colors - 鮮やかな夏の色彩 - 展

  夏の訪れは、自然界に鮮やかな色彩をもたらします。   本展覧会では、太陽の光と海の輝きからインスピレーションを受けたアーティストたちが、夏の風景や季節の花々...

うごめくひだまり ひなたすみこ

  • 制作年2023年
  • 技法油彩画
  • 号数10号 ( 長辺53.0cm × 短辺33.3~53.0cm )
  • サイズ45.5×53×1.5 cm
  • 額装なし
  • サインあり
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買戻し保証
価格68,000円(送料・税込)

Artistひなたすみこ

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あくび ひなたすみこ

  • 制作年2023年
  • 技法油彩画
  • 号数4号 ( 長辺33.3cm × 短辺22.0~33.3cm )
  • サイズ24.2×33.3×2 cm
  • 額装なし
  • サインあり
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価格30,000円(送料・税込)
SOLD OUT

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さとうがしのよる ひなたすみこ

  • 制作年2022年
  • 技法油彩画
  • 号数15号 ( 長辺 65.2cm × 短辺 45.5~65.2cm )
  • サイズ53×65×2 cm
  • 額装なし
  • サインあり
  • 特記事項状態良好
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価格100,000円(送料・税込)

Artistひなたすみこ

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