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Interview: Risako Fuji

自然からもらった癒しの時間を絵に込めて

 

“ 具象画から始まった画家としての人生 „

 


 
2019年に社会人向けの油絵教室に通い始めました。それまでの絵画の経験はほとんどありません。ただ、元々絵を描くのは好きで、漫画やアニメのキャラクターなどを遊びで描いている程度でした。
 
趣味として油絵教室に通い始めてからSNSで作品を発表しているうちに、展示のお誘いをいただいたり、絵を描く仕事をいただいたりして、本格的に画家としての活動を始めるようになりました。
 
そもそも油絵教室に通い始めたきっかけは、デパート内に展示されていたオリバー・ガルのポップアップショップを目にしたことです。オリバー・ガルはCHANELやPRADAなどの有名ブランドの香水やファッショングッズをテーマにしているアーティスト。並んでいる作品を見て、おしゃれでかわいい絵を自分も描いてみたいと思い、油絵を始めました。
 
油絵をはじめた当初は、オリバー・ガルのようなファッションをテーマに具象画を描いていました。その頃、とあるお店の壁に絵を描くお仕事を2回ほどもらったんです。画家としてのお仕事をいただいたことはとても光栄で、お仕事自体も楽しかったのですが、オーナーさんから「こんな絵を描いてほしい」と指示をいただいているうちに、画家としての方向性に疑問を感じるようになりました。心動いたもの、描きたいものを自分の感性のままに描く画家になりたいと考えるようになったんです。
 
当時、絵の勉強として、色々なアーティストさんの多様な作品を目にしていたのですが、たくさん見ているうちに「ものをそのまま描くってつまらない」と感じるようになって。それと同時に抽象画の奥深さにも気付かされ、2021年から抽象画を描き始めました。
 
 

“ 自然や風景をモチーフに描く „

 


 
今、抽象画のモチーフとなっているのは、自然や風景です。元々旅行が好きで、日本の色々なところを巡っているのですが、自然に囲まれている時のゆっくり、まったりした優雅で心地よい時間をキャンバスに落とし込みたいと思って作品制作をしています。私が描いた作品を目にした方が、リラックスしてもらえたり、別の世界を感じ取れたりする作品を目指していきたいですね。
 
そのようなコンセプトが伝わったのか、先日渋谷スクランブルスクエアで行われた「+STA Exhibition」という展示会のレセプションパーティーで私と話がしたいと言ってくださった方がいらっしゃいました。残念ながら私はレセプションパーティーに参加しておらず、お話しすることができなかったのですが、作品を気に入ってくださっていたこともお聞きし、アーティスト冥利に尽きるなと感じています。
 
今回の展示はこういった嬉しいお声をいただいたことも含めて、画家として活動し始めてから一番印象に残る展示会でした。
 
絵画が好きな方の中には、本人から作品のコンセプトやテーマなどを直接聞きたいという方も多くいらっしゃいます。なので、今後個展や展示会を開く際には、できるだけ時間を作って在廊する機会を増やしたり、レセプションパーティーなどにも積極的に参加しようと思っています。
 
展示の機会を増やして、多くの方の目に触れる機会を作っていくことも目標です。由緒ある展示会で展示できる機会をいただけるようになりたいですね。
 
 

“ 自分が描きたいものを作品に „

 


 
旅行が好きで、旅行先で出会った風景をモチーフにすることが多いですが、決して絵画の題材を探しに行っているわけではないんです。抽象画を始めたきっかけは自分が描きたい作品を描くことが根底にあるので、逆に言えば「描きたい!」と思えるものに出会うまで描かないという形ですね。
 
ですが、旅行などで行きたいところに足を運ぶと、絵のヒントになるようなものに出会うことがほとんど。四万温泉をモチーフにした作品も、鉱石をモチーフにした作品も、行きたくて訪れた場所で出会ったものです。今後は海がキレイなエーゲ海のミコノス島など海外にも行きたいと思っているので、海外の風景がモチーフになることもあると思います。
 
とはいえ、まだ抽象画を始めて2年経っていないこともあって、モチーフやコンセプト、テーマなどは模索中の部分が大きいです。今は自然や風景などがモチーフになっていますが、音楽が好きで海外のアーティストさんのミュージックビデオをよく見ているので、音楽やミュージックビデオがテーマの作品も生まれてくるかもしれません。
 
どんなものがテーマになるとしても、自分が心を動かされたものを絵画に落とし込むというスタイルで描いていきたいと思っています。「こういう作品を描いて」ではなく、本当に自分が描きたいものを描いた上で評価されるような画家になりたいですね。

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