日本文化を継承するアート販売Webメディア

Interview: いろうど

人と土地との縁を結ぶ

“ 人生を変えた山との出会い „

 
 


 
 
まず、「いろうど」というお名前がとても珍しく、聞きなれないなと思いまして、、、。
どのような意味があるのでしょうか?由来などありましたら教えてください。

 
 
―「いろうど」というのは、南アルプスにある聖岳と光岳の登山口の名前です。
私が作家になるきっかけになった山なんです。
中学生のころに山が好きになり、高校生から登山を始めました。
その後、25歳のころに知った聖岳の美しさに魅了され、
どうしてもこれを絵にしたい、と思ったのが、絵を描くきっかけになりました。
 
 
絵を描くのは子どものころからお好きだったのでしょうか?

 
 
―いいえ、まったく(笑)。聖岳の美しさを表現したい一心で、独学で絵を学びました。
 
 
それはすごい情熱ですね!全くしたことのないことをやろうというのが驚きです。 
写真に撮る、とかではなく、絵を描きたいと思ったのですね。

 
 
―はい、写真では私が感じた感動は伝わらないと思って、どうしても感じたことを絵で表現したかったんです。
 
 
まさに人生の転機ですね。いろうどさんは南三重をとても愛していらっしゃるようですが、それも何かきっかけがあったのでしょうか?

 
 
―はい、それも衝撃的な出会いがありまして。南三重の国道42号線に荷坂峠(にさかとうげ)という峠があるのですが、そこから見る太平洋の景色が素晴らしくて、衝撃を受けました。こんなにも青くて美しい海が日本にもあるのかと。
 
わざわざ海外旅行に行かなくても、まるで海外のような雰囲気があって、他にはないと感じました。それがきっかけで南三重の色々な場所を巡礼(笑)するようになりました。
 
 
 

“ 自然と神社と神様と „

 
 


 
 
神社や神様についてもとてもお詳しいようですが、ホームページのトップ画面にある絵も祭壇のような雰囲気を感じます。
 
どんなテーマで描かれたのでしょうか?

 
 
―これは、石川県にある白山を拝む架空の拝殿をイメージしたものです。
自分では菊理媛(白山神社に祀られているククリヒメ)のお社のつもりで描きました。
実はこれはデジタルアートなので、あとから油絵にするための下書きなんです。
 
 
たしか、Instagramに、ビーズで作った作品もあったようですが、あれはとてもポップでかわいい雰囲気の作品でした。様々な手法に取り組んでおられるのですね。
 
 
―あれは南三重のビーチをモチーフにした作品です。南三重の南国の明るい雰囲気がビーズのかわいらしさとマッチしていると思っています。
 
今度、日本橋アートさんで個展をさせていただくので、そこで出品する予定です。
 
 
南三重を愛してやまないいろうどさんですが、南三重の一押しを聞かれたらどこを挙げますか?
 
 
―熊野の赤倉(あかくら)です。熊野の中でも神聖な雰囲気があり、神話の世界にいるような、他にはない空気感を味わえる地域だと思います。
 
 
神話の世界や神様にお詳しいいろうどさんですが、自分を神様にたとえるなら、誰だと思いますか?

 
 
―恐れ多いような気もしますが、伊勢神宮の外宮に祀られている「豊受大神」でしょうか。
 
 豊受大神はどんな病気も治すお酒を造ったり、料理を作るのも上手な神様だったのですが、水浴びの最中に羽衣を奪われたため、人間に囚われて不遇の日々を過ごしていました。それが天照大神に招かれて伊勢神宮へ移ってから、その力を存分に発揮し、今では外宮の御祭神として祀られています。
 
 私も若いころは人に利用されやすかったり報われない感じだったのが、伊勢に行ってから人生が変わったので、親近感を覚えます。
 
 
 

“ 成長させてくれた場所への恩返し „

 
 


 
 
三重との出会いで人生が変わったのですね。いろうどさんは自分を成長させてくれた南三重に恩返しをしたいとおっしゃっていますが、三重でどのような経験をされたのでしょうか?
 
 
―絵を描き始めてからしばらくは自分の描くものに自信がなかったのですが、三重に来てから、温かい人々と交流し、励ましてもらったりしているうちに、だんだん自分の絵に自信が持てるようになりました。
 
また、泳ぐのは全くダメだったのですが、海の美しさに惹かれてダイビングをするようになったり、ペーパードライバーだったのが、様々な神社、山をめぐるためにどこへでも自分で運転して出掛けるようになりました。すべて南三重の魅力のなせる技です(笑)。
 
 
それは素晴らしいですね。南三重の魅力を一言で言うと、何でしょうか?
 
 
―温かい人々と、どこか南国のような解放感ですね。
 たくさんの人に南三重の魅力を知ってもらい、ぜひ訪れてほしいです。
 
 
最後に自分の作家としての役割とは何だと思いますか?

 
 
―写真だけでは分からない、自分が感じた魅力を表現して、見た人に行ってみたいと思ってもらう、土地と人との縁結びをしたいと思っています。
 
 今では忘れられてしまっている郷土の魅力を伝えられるアーティストになりたいですね。
お世話になった土地への恩返しをすることができたら嬉しいです。
 
 
終始南三重の魅力を熱く語ってくださったいろうどさん。自分を成長させてくれた南三重と人との縁結びをしたいという言葉が、まるで縁結びの神様のように感じられました。
 
縁結びとご恩返しをテーマに活動する新しいタイプのアーティスト、いろうどさんの今後の活動に注目です。

戻る