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骸仙全照 Web個展
死禅(Shizen) — 美しい死と涅槃 —

「死禅」と書くと不吉に見えます。しかし日本では殆ど知られていませんが、原始仏教において仏陀やその弟子達は死体の散乱する墓場で瞑想し修行しました。無常を悟る為である。現在でも上座部仏教では警察の死体置き場で僧侶が瞑想修行しますが、日本人の目には奇異に映るでしょう。

まずインドにおいて仏教は上座部と大乗に分かれ、中国では後者が儒教や道教の影響を受けました。日本に渡ったのはこの大乗仏教ですが、さらに日本では神道と習合したこともあり自然崇拝的な禅(瞑想)が日本人には好まれるようです。
しかし原始仏教における瞑想は自然を愛し一体化する瞑想(禅)というより、自然含めたこの宇宙から自らを完全に消し去る(=つまり生きないこと)ことを至高と考える恐ろしいものであった可能性があります。自然含めたこの宇宙の全てに対する愛着(愛・執着)を断つ瞑想(禅)であったと思われる。だから自然ではなく死禅なのである。

そしてソクラテスは愛智(哲学)とは死の訓練であると言い、肉体とは魂の牢獄だと言いました。死とはその牢獄からの魂の解放であると考えたのである。
愛智とは死(魂の解放)の訓練であり、禅とは涅槃(ニルヴァーナ)の訓練である。その意味での「死禅」である。至高の美への旅立ちである。

作品には大乗仏教的な物も含めましたが、基本的にこの原始仏教を意識した物になっています。

骸仙全照|Gaisenzenshou
 
東京都練馬区にあります、真言宗 非法人寺院の住職です。木暮全照。
デザイン専門学校卒業後、サラリーマンを経て得度。高野山真言宗教師免許取得。
放送大学教養学部卒、心理学専攻で認定心理士取得。
東京都の自宅を改装し真言宗寺院として開山致しました。

篆刻(石のハンコ)は雨人先生に学びましたが、自作の印はかなり自己流でやっています。正統な篆刻の形式はあまり意識せず、現代アートやインテリア書道的な作品を作ります。

篆刻を知る人は少ないと思いますが、単純に書道作品に押す落款印以外にも別の楽しみ方があるのではないかと考え、図案や風刺を混ぜて自由に作っています。

西洋芸術史をやりましたので、私の作品はやはりコンセプチャルアートだと思います。若い頃はダリやゴヤが好きでしたが、ルネサンス以前の原始的なゴシックの世界も好きです。
水墨画も我流ですが、仙崖義梵を勝手にライバル視しているので作家名は骸仙全照と名乗っています。
ユング心理学や彼の禅や錬金術解釈に関係する作品なども作成しています。

【略歴】
1969年
・東京都生まれ
1990年
・東京デザイン専門学校グラフィックデザイン科入学
1992年
・東京デザイン専門学校グラフィックデザイン科卒業
2017年
・放送大学教養学部心理学専攻 入学
2020年
・放送大学教養学部心理学専攻 卒業

【グループ展】
2022年
・埼玉県立近代美術館「Zen展」
2023年
・東京銀座大黒屋ギャラリー「Zen展 選抜展」

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会場
日本橋Art.jp
会期
2023.10.16 ~ 2023.10.31

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