中央上部に描かれた神の頭部は「先天性」の象徴であり、その口から滴る黒い液体は「運命」を表現しています。
煙から生える二本の腕は「因果律」を示し、中央に位置する赤子はその「結果」を象徴しています。
また、腕に纏った白い紐は「迷信」の象徴として描いています。
このモチーフは、男女の結びつきが因果律となり、新たな命の先天的な要素を生み出す様子を示しています。
ここで描かれる「先天的な要素」とは、赤子の遺伝的特徴や、それを取り巻く環境が運命に影響を与えることを意味します。一方で、人類が生み出した迷信の力は、この過程において何ら作用することは無く、自然の摂理が織りなす現象こそが、必然的な結果を導き出すことを示しています。
さらに、人間の技術や合理主義がこの啓示的な領域に及ぶことのないことを暗示しています。それどころか、過剰な合理主義や経済の発展が、人間の本来の豊かさを損ね、かつての温もりを失わせつつある現代社会への警鐘として、隙間なく生えるコンクリートの街並みを描きました。

｜素材｜
麻キャンバス、油絵具、箔、アクリル絵具

｜キーワード｜
#風景画　#ファンタジー・幻想　#都市 神仏・宗教　#青｜ブルー　#灰色｜グレー