Interview作家インタビュー

アクリル画
天夢
創作は「祈りに近い」と語る東京都出身の画家・天夢(Instagram:@tenmu_art)。グラフィックデザイナーとして活動する傍ら個人邸宅向けのアートを手がけ、2026年に画家として独立した。以来、企業とのコラボレーションや空間演出のアートなど、活動の幅を広げている。制作スタイルは、綿密な計算よりも降りてきたインスピレーションを大切にする「祈り」に近いものだという。今回は、代表作に込めた思いや創作の原点、今後の展望について話を聞いた。
「豊月」 作:天夢
出身や作品コンセプトを聞かせてください。

出身は東京都です。

雅号「天夢」からは「天に夢を届ける」という意味を見出しています。
この名を授かってから、人の夢をそっと応援できる存在でありたいと願うようになり
ひとつひとつの作品に心を込めて描いています。

画家活動を始めたきっかけは何ですか?

子供の頃から絵を描くことや創作が好きで、描くことは私にとって日常でした。

友人に贈った似顔絵と手作りアクセサリーを組み合わせたプレゼントが好評で、SNSや口コミを通じて広まり、たくさんの似顔絵を描かせていただきました。

当初は別名で活動し、オーダーをお受けしていましたが、2024年に師匠から雅号をいただいたことで、本格的に画家として活動を始めました。

「美しき世界」 作:天夢
作品にはどのような想いを込めていますか?

私の制作スタイルは「祈り」に近いと思っています。

綿密に計算された作品作りも素敵ですが、私の性格には合わないようです。
描いている時間は無になっている感覚で、降りてきたインスピレーションを一番大切にしています。

「世界に描かされている」というと大それた感じですが、創作の経験を重ねるうちに自分だけの力で描いているわけではないと思うようになり、年々、神仏や自然への感謝の気持ちが湧き起こるようになりました。

今では感謝の気持ちを込め、手を合わせてから作品制作に向かっています。

印象に残っている出来事を教えてください。

お客様からはよく「どの絵も画風が違って、同じ人が描いたと思えないですね」と言っていただきます。

その場のインスピレーションで描いているので嬉しいご感想なのですが、ある展示会で「絵のスタイルは異なるけれど、全部あなたが描いたとわかりますよ。同じ音が聴こえますから」と言っていただきました。

そのお客様は感性の鋭い方で、共感覚をお持ちとのこと。
私の絵に近づくと、「プラネタリウムの音楽のような、癒しの音楽が聴こえる」と微笑んでくださいました。

自分の絵からそんな音が流れていることを知れて、とても嬉しかったです。

「心の闇、闇こそ光。」 作:天夢
「自分らしい」と思う作品を教えてください。

人の持つ陰陽を描いた「心の闇、闇こそ光。」です。

この作品の着想源はユングのペルソナとシャドウのお話で、
「心の奥底に隠した闇こそ、人の持つ光なのだ」ということを表現しました。

創作の時間は楽しかったのですが、自身のドロドロとした闇の部分を開示することが怖く感じて、この作品を発表することは私にとって挑戦でした。

発表してみると、意外にもこれまでで一番多くの反響をいただき、コンテストで賞をいただくこともできました。

今後の作品制作への想いを聞かせてください。

今後はさまざまな方との交流や旅を通じて、もっともっと自分の枠を壊した先の世界を見てみたい、多くの方とご縁をつなぎ作品を見ていただきたいと思っています。

しかし、無意識に変化することに対してブレーキをかけてしまう自分もいます。

私の夢を邪魔するのは、他でもない自分自身。
失敗すらも面白がりながら、子供のように自由な作品作りに挑戦していきたいです。

子供の頃から絵を描くことを日常としてきた天夢。
二足のわらじで走り抜いた下積み時代を経て、2026年に画家として独立した。

「祈り」に近いという独自の制作スタイルで、神仏や自然への感謝を胸に、一枚一枚の作品に心を込めて取り組み、「心の闇、闇こそ光。」で見せたように、自身と真摯に向き合う姿勢も多くの共感を呼んでいる。

今後は自らの枠を壊しながら、より多くの人と作品を通じて縁を紡いでいきたいという。子供のように自由な創作に挑む天夢の今後の展開に、期待が高まる。

インタビュー: 2026/09/14