長年培ってきた日本の精神性や美意識に深い敬意を払いながら、デジタルという新たな技法で独自の日本画表現を切り拓いている。梵禅氏の作品は、伝統への畏敬と現代への問いかけが静かに共存し、見る者に深い余韻を残す。各地の展覧会で共感を呼んできたのは、その制作姿勢に一点の偽りもなく、人生観そのものが画面に刻まれているからだろう。今後、この独自性がどのように発展していくのか引き続き注目したい。
活動名は梵禅(ぼんぜん)と申します。「梵」はブラフマン(宇宙根本原理)を、「禅」は悟達の修練を意味しております。本名は柏木 眞(カシワギ マコト)で、1957年に岩手県盛岡市で生まれました。上京後、一般大学を卒業し、予備校講師として働きながら、黄檗(おうばく)派一休宗純の墨蹟(ぼくせき※)、白隠の墨画、富岡鉄斎などを独学で学んでまいりました。現在は埼玉県に在住し、デジタルアートによる日本画、主に美人画を中心に制作しております。係累には美術評論家の柏木博、岩手県の画家である深沢紅子・深沢省三がおります。
※墨蹟:墨で書いた文字の跡。特に僧侶(禅僧)が記した筆跡を指す。