WORKS 作品
INTERVIEWインタビュー
Yumi + Art
「先生はYouTube」アーティストとして踏み出した一歩
子どもの頃から絵を描くことが大好きだったYumi + Artさん。絵を専門的に学んだことはないというYumi + Artさんだが、再び筆を取り描き始めたきっかけは何だったのだろうか?
「25歳の時に結婚したのですが、1年経たずして難病にかかり、半年ほど入院を強いられたんです。病室で一人、贈っていただいたたくさんのお花を眺めている内に、ふと『描きたい』という思いが芽生えました。そこから少しずつスケッチを重ねて、退院後は通信教育を受けたり、ボタニカルアートの教室に通ったりと、再び絵を描く熱が高まっていきました。」
難病の発症という、人生の大きなハードルを絵と共に乗り越えた後も、創作活動への意欲は衰えることなく、アーティストとしての”仕事”へもつながり始めたという。
「最初にお仕事をいただいたのは、とある一般社団法人のパンフレットでした。別件で描いていた私の絵が目に留まったようで、『あなたの絵は世界観にピッタリ』と言っていただきました。」
アーティストとしての初めての仕事。同時にこれは、現在の画風であるデジタルアートの世界へ足を踏み入れるきっかけにもなったそうだ。
「それまでボタニカルアートの透明水彩絵の具で作品を描いていたのですが、お仕事となると描き直しもたくさんあって、その度に1から描き直す作業に限界を感じたんです。そこでiPad Proを購入して、YouTubeで使い方を覚えて練習を重ねました。」
当時は日本語の動画がほとんどなかったため、英語の動画を拙い日本語字幕を頼りに解読していったという。
「それが2020年あたり。ちょうどコロナ禍に突入して”STAY HOME”と声高に言われていた時期で、みんながピリピリしていたので、自分にとっても絵を描くことが癒しになっていたんだと思います。」

モチベーションは、未来ある子どもたちとの関わり
“創作意欲を持ち続けられる理由は何ですか?”という問いに対し、間髪入れずに「好きなんです、絵を描くことが。」と答える姿勢からは、絵に対する深い愛情が伝わってきた。しかし話はそこで終わらなかった。「それと…」と続けて語ってくれたエピソードには、何歳になっても挑戦し続けるYumi + Artさんのモチベーションの源泉が詰まっていた。
「絵を描く以外にも色々なボランティアに携わっているのですが、その中に不登校児と交流するという活動があります。数人の子どもたちと定期的に会話する機会があるのですが、中には将来イラストレーターになりたいという子もいたりして。その子たちに、『いくつになっても挑戦できるし、好きなことをやってるのは面白いし、人生楽しいよ』って伝えたいという気持ちは、大きなモチベーションになっているかもしれないです。」
「今度こんな展覧会やるんだよとか、こういうことができるようになったよとか、50代のおばちゃんでもこんなことができるんだから、10代のあなたたちならもっと可能性が広がってるよということが、私の挑戦を通じて少しでも伝わってもらえたらなと。『近所のおばちゃん頑張ってるよ』っていう(笑)あとは、最近流行の絵のことを教えてもらったりも楽しいですね。『鼻は描かなくていいんだよ』とか(笑)」
筆者自身が不登校児だった経験からも、親でも先生でも友達でもない”学校の外にいる大人”としてのYumi + Artさんの存在は、きっと彼/彼女たちの救いになっているだろうと想像できる。
このお話を聞いた時、インタビューを通じてぼんやりと感じていたYumi + Artさんの魅力が、人柄そのものから紡ぎ出されるものであることを理解した。温かな人柄から生まれた作品たちだからこそ、見る人に癒しを与えてくれるのだろう。

自分の代わりに”絵”が世界中を旅をしてくれる
作品群を見ていると、童話のモチーフや、ファンタジーな雰囲気の作品が多いことが伺える。それについて尋ねてみると、「好きなんだと思います。」という答えが返ってきた。
「インスタを始めた当初、ハッシュタグで回ってくるテーマに沿った絵を描くチャレンジ企画に積極的に参加していて。『このテーマなら描けそう/描きたい』と思えるテーマを選んでいたら、気づいたら童話とか神話とか、星空とか光とか鳥とか、ファンタジー色の強いものが多くなっていました。」
デジタルアートながら、水彩絵具のように柔らかい印象をたたえる作品が多いことについても尋ねると、
「私自身が透明水彩から入っていることが大きいかもしれません。デジタルってちょっとクールな印象を持っていたので、手描きとまではいかずとも、温かみのあるものを描きたい
という気持ちがあります。」
最後に、そんなYumi + Artさんにとって”最も自分らしい作品”を選んでもらった。
「鳥の背中に乗る赤ずきんですかね。これを描いた当時はコロナ禍で、本当にどこへも行けなくて。それなら”代わりに赤ずきんに色々なところを旅してもらおう"というのがコンセプトです。なので、赤ずきんはこの1枚だけではなくて、シリーズで何枚も描いています。」
実際の鳥の写真を元に描いたというコミミズクは、デフォルメされていながらも目の前にいるかのような存在感を放つ。Yumi + Artさんの確かな画力が光る1枚だ。
「今度の個展では、新しくヘイミというオリジナルキャラクターに北欧を旅してもらうというコンセプトで作品を描いているんです。ヘイミという名前はフォロワーさん達に投票してもらって決めた名前です。」
今年の11月に日本橋アートで個展を予定しているYumi + Artさん。温かな気持ちに包まれる作品たちに出会えることが楽しみでならない。

EXHIBITIONS 展覧会情報
2025.03.16 ~ 2025.03.31
Yumi + Art Web個展
~ヘイニ北欧の旅へ~
主人公ヘイニと仲間たちが、北欧の豊かな自然や文化を旅する絵本のような世界を描いた作品です。
うさぎのソポは「可愛い」、クロウタドリのムスタは「黒い」というフィンランド語が由来です。
デジタルで制作した作品にアクリルガッシュで加筆し、温かみのある色とテクスチャーを大切に表現しました。
北欧は私の憧れの地であり、日常生活や幼少期の影響を反映しています。お客様に癒しと楽しさを感じてもらえたら嬉しいです。
●Yumi + Art
私にアートをプラスしたら何が生まれるんだろう? 自分探しの旅をするような気持ちで描いています。 こんにちはYumi + Artと申します。 絵の中はとっても自由✨ 鳥の背中に乗って空を飛ぶことも、鯨と一緒に深い海に潜ることも、1000年後を旅することも出来ます。 空想の翼を広げて私の中に芽生えた世界を表現するのは、とても楽しく自分を癒してもくれます。 そのようにして出来た作品たちが、誰かの心を動かす事が出来たら、本当に嬉しいです。 絵を描くためのツールは、iPad Pro 、Apple Pencil,Procreateアプリです。 透明水彩や色鉛筆のように柔らかくやさしい印象をデジタルで表現したいと思っています。 作品はinstagramに投稿しておりますので、そちらもご覧いただけたら嬉しいです。 【経歴】 196x年 ・山口県生まれ ・青山学院大学英米文学科卒 ・東京都八王子市在住 ・コロナ禍、デジタルアートを学び、instagram で発表を始める 【グループ展】 2021年 ・KEIVI「ポートレートでつながろう展」 2022年 ・Picaresque 「熟睡展」「1000年後の旅人展」「こども初恋展」「異類婚姻譚展」 ・boji hair + gallery 「Boji Christmas Exhibition」 ・KEIVI「のろりvsグランデ展」「ポートレートでつながろう展」「Art Hug You展」「ネオンガール展」「色男展」 2023年 ・World Times Gallery 「Pre Hacolle Exhibition 」 ・文房堂 「第五回文房堂アワード」 ・boji hair + gallery 「童話展」「Flower展4」 ・日本文藝「秋の藝術展」 ・KEIVI「ドラゴンガール展 on Captors 」1位 2024年 ・日本橋Art.jp WEB個展 11/1〜11/15「ヘイニ 北欧の旅へ」 ・“ART JAPAN 2024” クリエイター・ジャパン in Australia ・boji hair + gallery 「Flower展5」「童話展2」「くまさん展」 ・Galerie JIN & Chiyo's 絆グループ展〜希望〜 2025年(予定) ・上野の森美術館「第30回 日本の美術」全国選抜作家展 ・Galerie JIN & Chiyo's絆グループ展〜未来〜 【掲載】 ・「CUT 2023 」 artbook事務局
●Yumi + Art
私にアートをプラスしたら何が生まれるんだろう? 自分探しの旅をするような気持ちで描いています。 こんにちはYumi + Artと申します。 絵の中はとっても自由✨ 鳥の背中に乗って空を飛ぶことも、鯨と一緒に深い海に潜ることも、1000年後を旅することも出来ます。 空想の翼を広げて私の中に芽生えた世界を表現するのは、とても楽しく自分を癒してもくれます。 そのようにして出来た作品たちが、誰かの心を動かす事が出来たら、本当に嬉しいです。 絵を描くためのツールは、iPad Pro 、Apple Pencil,Procreateアプリです。 透明水彩や色鉛筆のように柔らかくやさしい印象をデジタルで表現したいと思っています。 作品はinstagramに投稿しておりますので、そちらもご覧いただけたら嬉しいです。 【経歴】 196x年 ・山口県生まれ ・青山学院大学英米文学科卒 ・東京都八王子市在住 ・コロナ禍、デジタルアートを学び、instagram で発表を始める 【グループ展】 2021年 ・KEIVI「ポートレートでつながろう展」 2022年 ・Picaresque 「熟睡展」「1000年後の旅人展」「こども初恋展」「異類婚姻譚展」 ・boji hair + gallery 「Boji Christmas Exhibition」 ・KEIVI「のろりvsグランデ展」「ポートレートでつながろう展」「Art Hug You展」「ネオンガール展」「色男展」 2023年 ・World Times Gallery 「Pre Hacolle Exhibition 」 ・文房堂 「第五回文房堂アワード」 ・boji hair + gallery 「童話展」「Flower展4」 ・日本文藝「秋の藝術展」 ・KEIVI「ドラゴンガール展 on Captors 」1位 2024年 ・日本橋Art.jp WEB個展 11/1〜11/15「ヘイニ 北欧の旅へ」 ・“ART JAPAN 2024” クリエイター・ジャパン in Australia ・boji hair + gallery 「Flower展5」「童話展2」「くまさん展」 ・Galerie JIN & Chiyo's 絆グループ展〜希望〜 2025年(予定) ・上野の森美術館「第30回 日本の美術」全国選抜作家展 ・Galerie JIN & Chiyo's絆グループ展〜未来〜 【掲載】 ・「CUT 2023 」 artbook事務局