「こら、そこの羽虫。俺は今、お前をたたきつぶしたくて仕方がないのだ」
「はい、人間様。わたしのようなちっぽけな羽虫は、たたきつぶされる運命にございましょう。しかし、ここはどうか踏み留まり、見逃してはいただけないでしょうか?」
「ほう、おまえごとき羽虫が命乞いをするか。ではおまえをたたきつぶさないほうが良いという理由を申してみよ」
「はい、人間様。まず第一に、貴方様のお手が汚れてしまいます。第二に、これが一番重要なのでございますが、このちっぽけな体と羽には、貴方様さえもすっぽり包んでしまうほどの、大きな、それはもうとてつもなく巨大な、愛を積んでいるのです」
「愛だと?おまえのちっぽけな体の、どこにそんなものが積んであるのだ?」
「はい、人間様。それは貴方様もよくご存知でしょう。愛は目には見えぬものなのです」
|素材| アクリル絵具
|キーワード| #抽象画 #ファンタジー #北欧・ヨーロッパ #カフェ
独学。筆は使わず、感情のゆらめきを、指で表現します。
1983年 ・大阪府生まれ。
福井サムホールコンクール入選。 日本国内、アメリカ、イギリス、スペイン、フランスにて、原画販売実績あり。