Statement

ちょうど一年前の5月に個展を開きました。
その時のタイトルは「decadenspective Ⅰ」。
今回は「decadenspective Ⅱ」、第二章の始まりです。

「decadenspective」=デカダンスペクティブ=とは
いま一度デカダンスを見つめ直し、
新たな一歩を始めるという意味の造語です。

デカダンスとは19世紀末の退廃的文化を意味しますが、
一年前は、今のこの世界こそが退廃していると感じると書きました。
一年経って、その時からさらに世界は暗澹たる空気に包まれています。
理不尽な戦争は拡がり続け、終わる気配もない。
様々な格差も広がり、人は神経症のようにネットに踊らされているように思えます。
ふとした瞬間に、このまま世界は終わりを迎えるのではないかという
不穏な考えに捕われそうになります。

それでも私はいまだに、人の中には肯定的な光があると信じたい。

こんな世界に生を受けた一介の表現者として、
この世の中から感じ取れる人の所業の一片を、イメージの中で昇華させ、
終わりそうな世界の中の諦めきれない美しさを描き続けます。

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Artist

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