永田知里Web個展
人間くさく生きる権利

生きるのが下手な私でも生きる権利がある。
傍目から見て元気に明るく振る舞い上手く生きているように見えている人でも心の中には悩みの一つや二つはある。上手くいかなかったことがあるのなんて当たり前である。何かに劣等感があるのも人間として普通である。そんな人間くさい部分が私は大好きで、それでこそ人間だと思う。
上手に生きている人間、一生懸命生きて成功しているといった人間の上っ面のいいところだけを見るのは疲れた。今回の作品は私のような劣等感を抱き、何かに対して嫌悪を感じている人が自分をそのまま受け入れ、愛するために産まれるべき副産物の展覧会だと思っている。

平面作品ももちろんありますが、自分自身や人間を崇めた「自分自身のための宗教画：ステンドグラスシリーズ」に続き、嫌悪感やフラストレーションを爆発させた「BDSMシリーズ」の２シリーズをメインに制作しました。どちらも2023年から始めた試みですので、これから発展させていくシリーズになります。
大人になるに向けての葛藤や苦悩が作品に現れていると思います。どうぞ暖かい目でご覧ください。

● 永田知里

高校2年の秋、初めて描いた油絵の質感や表現の奥深さに魅了されそのまま美大進学を決意し、技術面、思考表現面ともに未熟ではありますが大学に入学し、今に至ります。
モチーフは自分の夢と現実、プライベートや内面と外界といった独りよがりの世界を扱っています。
私に共感する方もいれば、独自の解釈を広げる方、反対や不快感を感じる方もいらっしゃると思います。
私の作品からうけたどの感情も全て個人個人の尊い感性です。
それらを発掘、吸収ができるコミュニケーションも含めた作品を作りたいと思っております。

【略歴】
2003年
・岐阜県生まれ
2018年
・岐阜県立岐阜北高校入学
2022年
・愛知県立芸術大学美術学部油画専攻入学