ぼくは、ぴえろに魅せられて描き続けています。ぼくのぴえろは道化師ではなく、子供の象徴です。 みなさんは、あの、こぼれ落ちる涙から、喜び、悲しみ、夢と希望、怒り、憂鬱を思いおこすことでしょう。 それは、大人になった私たちの心の中にある気持ちです。その中で、僕が表現したいのは夢です。
幼いころ、誰もが持っていた、純粋な夢と希望。大人になっていくうちに、いつの間にか、どこかに捨ててきてしまっていませんか。 キャンバスの片隅に、必ず登場する自転車は、童心に返るためのタイムマシーンのようなものです。 それに乗って、いつでも童心に返れるようにという願いがこめられています。 夢だけでは生きていけないというけれど、心の中にしまいこんだ、童心に出会えたら、もう一度、純粋な夢と希望を持つことの素晴らしさを思い出すのではないでしょうか。 夢を捨ててしまった人たち、忘れてしまった人たちに、もういちど夢を持ってもらいたい。
これがぼくの、ぴえろに託した願いです。