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Artist 雪蕾 yukitubomi

雪蕾

INTERVIEWインタビュー

雪蕾

簡単に自己紹介をお願いいたします

1978年神奈川県横浜市出身です。公募展及び国内外出品を経て2013年に月夜野美術研究所を設立しました。2017年6月にニューヨークにてマンハッタンアートアワードを受賞しました。

人物、風景、静物を幅広く描きますが、人物画家と自認しています。画歴20年以上、女の子を描きたいという気持ちは不変です。全ての作品において色と空間の表現を重視しています。

印象に残っている展覧会や出来事はありますか?

2017年6月、ニューヨークで開催されたJARDIN展にて、初海外出品で受賞した事です。庭に咲いた桜と背景の谷川岳の油彩風景画で受賞しました。他の海外展でも多くの方に会場にお越し頂き、自分の言葉で作品を伝える事が出来たのが最も印象的です。

絵画教室も10年間稼働していますが、初の生徒様にご入会頂いた時の緊張感や、教室展覧会で近隣の展示施設や横浜の画廊内に生徒様作品を多く飾った事など良い思い出もあります。正直、児童生徒様が泣いて帰ってきた事や上達出来ないなどのクレームも頂き悔しい思いもしました。今後生徒様に不快な思いをさせないように日々改善努力しています。

「自宅アトリエ風景」

画家活動を始めたきっかけは何ですか?

学生時代に女の子の絵を描きたいと思ったことがきっかけで、独学で鉛筆やアクリルエアブラッシュを用いて制作を始めました。試行錯誤しながら描き続ける中で油彩への関心が高まり、本格的に学ぶため絵画教室に入会しました。
当時はまだ20代でしたので、将来的に画業が開けると言われた事、通っていた絵画教室の運営や指導の様子を間近で見る中で、自身も同様に開業したいという思いを抱くようになり、現在に至ります。

作品にはどのような想いを込めていますか?

色と空間の表現を最重要視しています。実在のモチーフであっても、一次創作・二次創作であっても、単なる描き写しにとどまらず、色彩と空間の関係性によって、画面の中に確かな存在感を生み出すことを意識しています。

鑑賞者がその対象を「そこに在るもの」として自然に認識できるような空間の再現を目指し、色の重なりや広がりによって、画面内に実在感をもたせる表現を追求しています。

今までの作品で最も自分らしいと思う作品を教えてください

F100号油彩、Symphony with the airです。ピアノを奏でる美術モデルを油彩で描いた作品です。ピアノの独奏でありながら柔らかな素材の衣装、背景、室内風景の協演による空間の響きを描きました。

女の子を描くにあたり、この作品では背景を組み合わせる事と衣装や姿勢の組合せにより、主題の女の子の人生観まで表現しています。自宅のアトリエに女の子とピアノを描きたくてピアノを設置しました。逆に背景は、特に水彩では背景を無地にして純粋に女の子の可愛らしさと美しさの表現に特化する作品もあります。

「Symphpny with the air」 作:雪蕾

今後の作品制作に向けての想いをお聞かせください

以前は殆ど油彩でしたが、現在、油彩・透明水彩・デジタルにて主に制作しています。比率は最近では透明水彩が最も多いです。人物風景静物を出品先、販売先で描き分けるのは当然ですが、女の子を描きたいという気持ちが強いのは不変です。

近年では既存の画廊や公募展などだけではなく、同人誌の展示即売会や道の駅での物販イベントなどへも出品しています。既存の出品公表だけでなく特に若年層に女の子の絵の素晴らしさを伝えたく同人誌展示即売会に出品し、原則額装絵画ですがコミックを作成した事もあります。道の駅では主に風景画を販売しています。道の駅でも意外に女の子の絵が売れる時もあります。

同人業界や道の駅の展示販売は、普段画廊や美術館で観るような絵に関心が無い層にも作家及び教室宣伝が出来ます。更に作品規格を、特に額縁が高価となるF何号などの絵画規格ではなく事務用紙規格に合わせ安価な額縁で安く作品を提供し、絵画に関心を持って貰える層を増やす目論見もあります。時間かけて制作する作品は絵画規格にて本格的な額縁にて高価な価格に見合った作品となります。作品を買われるお客様のご要望に応じた価格設定を設けています。

人物、女の子の絵は実在(美術モデル)と一次創作が中心となりますが、二次創作を描く時もあります。経験上、旬の流行アニメの絵は展示即売会にてよく売れました。二次創作は自分で観て面白い、描いてみたい(原作愛)と思った作品しか描きません。

ほぼ油彩専門で営業していましたが、油彩人口の減少、絵画人口の減少を危惧しデジタル絵画の指導と作品制作も始めて4年が経過します。デジタル絵画でも印刷額装して油彩、水彩と並べると絵は絵と思わせてくれる安心感も感じます。現在電子書籍やデータの受け渡しによる作品販売、頒布など見られますが、デジタル絵画でも同人誌展示即売会が数多く開催されている状況下において、デジタルデータだけでなく実物を手にしたいという需要は多いと感じます。

デジタル絵画に取り組む前は既存のアナログ絵画とは全くの別物で、長年油彩などアナログ絵画のみ描いてきた自分に扱えるか不安でしたが、デジタルデバイスの機能さえ覚えれば絵を描く基本は同じなので作品制作自体は難なくこなせています。今後特にデジタルでなければ出来ない表現を更に追求したいと思います。デジタルでも色と空間の表現最優先は変わりません。デジタルツールでの色調補正やカラーフィルターにレイヤー分けなど便利機能で、色と空間の調整がアナログ絵画より容易に出来る利点もあります。この利点を生かしてアナログ絵画での色と空間のシミュレーションも行っています。

現在、売れればいい、フォロワー数やいいねの数が多ければそれでいいと思えるような風潮も感じます。比較的若年層が多い同人業界、比較的中高年の多い公募展でも、即売会で売れればいい、会員に昇格したら作品の質を落としてもいいなど技術が全てではない、更には営業力やコミュニケーション能力が無いと無駄という風潮も見られますが、作品制作の技術力が全てと思われます。月夜野美術研究所のコンセプトは美しい、可愛いを楽しむ絵画教室ですが、制作技術を最重要視しています。教職員、生徒含め日々技術開発に取り組んでいます。

今後も女の子の肌、髪、衣装の美しさを追求していたいと思っています。

「春色」 作:雪蕾 マンハッタンアートアワード受賞

色と空間の表現を最重視し、油彩、透明水彩、デジタルと多様な技法を駆使している。画廊や公募展だけでなく同人誌即売会や道の駅など幅広い場で作品を発表し、絵画に関心を持つ層を広げる取り組みを続けている。技術力を最重要視し、月夜野美術研究所では日々技術開発に取り組む。女の子の肌、髪、衣装の美しさを追求し続ける雪蕾氏の今後の活躍に期待が高まる。