日常のありふれた情景やものが、ふとした瞬間に心に響くことがあります。私はその響いたものが何であるのかを描きたいと思っています。 日本画の絵の具は鉱物などの粉末です。その粉末に自分で膠を混ぜて絵の具にしていきます。 色も皿にできた色ではなく、乾くまでその効果はわかりません。 日本画を表現方法としているのは、描きたい対象と画面と自分自身とにできる間合いが私の制作に心地よいリズムをつくってくれるからです。 作家として活動し始めたのは2022年からですが、それ以前は長く美術教師として生徒に美術を教えてきました。 私の作品がどなたかの心のやすらぎになるように願っています。
【略歴】 ・東京都生まれ ・東京学芸大学美術科卒業 ・横浜国立大学大学院芸術系教育専攻修了 ・公立中学校で美術教師として勤務 ・2022年より作家活動に専念
【グループ展】 ・教員展に毎年出品 2022年 ・千葉県富津市金谷 「鋸山アートフェア」2点出品 ・鋸山美術館 「選抜作品展」 2023年 ・金谷まちじゅう美術館の企画に参加し、作品提供 かぢや旅館にて展示
【公募展】 2022年 ・アーティザンズ北鎌倉 「春らんまん展」入選 ・アーティザンズ北鎌倉 ウクライナの子どもたちのための「平和への祈り展」2点入選 ・国立新美術館 「日本フランス現代美術世界展」入選 ・アーティザンズ北鎌倉 「秋の展示会」2点入選 2023年 ・フランス バスティーユデザインセンター 「第2回TOKYO世界展－パリ2023」推薦展示
「月に至る光」稲生晴美
30,000円
「秋の夜の夢」稲生晴美
120,000円
薄美濃紙に墨で、思うままに筆を動かしできた模様から発想して描きました。 にじみやかすれの形はインスピレーションを与えてくれます。じっと見つめていると、空の薄雲の流れや光を反射する海が見えてきたのです。 その薄美濃紙を和紙で裏打ちして、顔彩・胡粉・金泥など日本画独自の絵の具を使い表現しました。 田毎に映る光は海へ至り、そして月に至ります。光を追っていくとき、自分自身が光となっていることに気が付くのです。
秋の夜。月明かりに照らされた白い木肌、先が細くゆっくりとうねった枝、黄金色の葉。 黄葉の静かな山を見たあなたは、その形と色に魅了されるでしょう。 周りの常緑樹の緑とのコントラストが不思議な世界をつくります。 白樺の山に迷い込んだあなたは、どこから来てどこへ行くのでしょう。 この作品は和紙に日本画の絵の具である水干・顔彩・岩絵の具・銀箔を硫黄で焼いた黒箔の砂子を使って表現しています。
