WORKS 作品
INTERVIEWインタビュー
本庄未紀
アートとの出会いを教えてください。
幼少期から家には紙や布、簡単な画材や道具があり、ものをつくったり描いたりすることがしやすい環境でした。学生時代や卒業後の就職では他のことを選びましたが、やりたいことを探すうちに次第に制作系の仕事に移行し、建築パースやイラスト、デザインなどの会社に勤めました。
プライベートで変化があり退職した後、通信制の大学で学び直しました。住む地域も何回か変わり、景色や色彩、形など見るもの全てが変わった時期でもあります。在学中に展示の機会があり、以降、制作と展示のサイクルを続けています。
絵を描いたりものをつくることの他に音楽もずっと好きで、わたしの人生に絶対になくてはならないものです。子育てが落ち着いたタイミングでじっくり自分が好きなものに向き合った結果、最近は音楽の存在が大きくなっています。その影響で絵にも変化があり、自分でもその変化をみているところです。
生活の中でインスピレーションを受ける場面はありますか?またそれはどんな場面ですか?
わかりやすい例では、自宅周辺の小さな自然、特に植物からインスピレーションを得ることがあります。旅先で感じた色かたち、音や空気感も絵に繋がります。
でもほとんどは特別なインスピレーションなど無く、普段いちばん長く見ている物や頭から離れないことがきっかけになっています。たとえば日本橋アートさんに出展している『夜』や『囲』は自宅のカーテンと椅子、窓からの眺めがモチーフになっています。コロナ禍で家にいる時間が長く、そればかり見ていました。また、音にまつわる作品は、繰り返し聞いている曲やピアノで練習している曲がモチーフになっています。小説や思想など、言葉や文章が制作方針に影響することもあります。
ご自身の作品を通じて、見る人にどのような体験や感情を届けたいですか?
制作のきっかけとなる事象や想いは何かしらありますが、制作には時間がかかるほうで、伝えたかったことや想いなども変化してしまいます。きっかけとなった季節が変われば植物の様子や景色もかわりますし、同じ音楽や言葉でも自分の状況によってまた違う想いが生まれます。
何が描かれているか他者には分かりづらいだろうと思うところはありますが、分かっていただくことは目的ではなく、絵の前に立った時に何かを感じて、ご自身の体験に置き換えたり記憶を呼び起こしたりするきっかけになれば、何かが伝わったことになるのかもしれないと思っています。
それでも何が描いてあるか、何を伝えたいのかと興味を持っていただいて、お話しする機会があれば喜んで種明かししますし、話は長くなると思います。そうでなければあまり説明過多にはしたくないと思っています。
他のアーティストの作品を観るときに注目してしまう点はありますか?またそれはどこですか?
現代の国内で鑑賞できる作家さんの作品では画材や枠、画面の構成や仕上げ方、素材的なこと、主に制作過程について注目し、参考にさせていただいています。
以前はYouTube や Instagramで海外の作家さんの画材や技法に衝撃を受けていました。また、海外滞在していた時期があり、画材店やアトリエを訪問する機会もあったのですが、色や道具の使い方が自分にとって完全に新しく、大きな影響を受けました。そのような体験を経た上で、自分の視点を大事にして日本人であることを手放さない作品づくりを心がけていきたいと思っています。
歴史的に有名な作家さんの作品については、画材や技法よりもその人生のいつどんな状況で描かれたものなのか、社会的にはどんな時代だったのかなど、作品が生まれた背景に興味があります。
創作をする上で「これだけは譲れない」と思うこだわりはありますか?
絵を描くきっかけとなった物や出来事と、作品との間にギャップを創ること、また、その過程をどこで止めるか、ということが創作をする上で大事だと思っています。
こだわりは特にないですが結果的にいつも登場する形や色、構図があります。自分の中から自然に生まれたパターンみたいなものは軽視せずに続けていきたいです。
これからアートを目指す人、アートを始めたばかりの人へメッセージ
現在某カルチャースクールでアート・エクササイズ®︎という講座を開いています。幼児から高齢者まで年代別に複数のクラスを持ち、制作のサポートをしています。
技術や表現ということを難しく考えず、目の前の道具で遊ぶ子どもたちからはこちらも大いに刺激を受けています。成人クラスには、絵を描くのは初めてという方々が勇気を出して参加されています。私自身も様々な葛藤を経てようやく絵を描くことを自分に許しているようなところがあるので、できることはなんでも応援したいです。
EXHIBITIONS 展覧会情報
2024.06.17 - 2024.06.22