「昭和レトロ」なデパートレストランをイメージしました。

幼稚園から小学4年生まで住んでいた秋田市。
当時は「デパートに買い物に行く」というのは特別な事でした。
よそ行きの服を着て、母と姉と3人で
木内（きのうち）というデパートへ行くのが定番でした。帰りにここのレストランで食事をするのが一番の楽しみ。
私は決まってホットケーキとオレンジジュース。
デザートにソフトクリーム
なぜホットケーキだったのかはよく覚えてませんが、分厚く正確な円形に焼き上げたフカフカのホットケーキはキチっと揃った3段重ねで、一番上には真四角に切られたバターが恭しく鎮座していました。

ホットケーキが温かいうちにてっぺん、1枚目と2枚目の間、2枚目と3枚目の間にバターを塗りつけます。
それからナイフとフォークで十字にカット。
小さな銀色のシロップ入れにメープルシロップが入っていて、それを回しかけいざ実食！
この見た目、シロップ入れやナイフフォーク

一連の儀式を経て味わう”非日常”な感覚が
子供心をくすぐりました。
もちろん、美味しかったんだけど、美味しいから頼むというより、「特別感」を味わいたかったんだと思います♪
ジュースも、家にあるコップと違う丸みを帯びた足つきのタンブラー。オレンジの飾り切りなんかがフチに付けてあって、缶詰のサクランボが入っていて。
店を出た後も後生大事にサクランボの種を口の中で転がしていました。
ソフトクリームは銀色の台にはめられて来るのが嬉しくて。本体よりそちらが見たくて頼んだのかも？

たまにお子様ランチを頼む事もあって、日の丸の旗の付いた爪楊枝がお目当てでした。
そして仕上げは、帰り間際に1階にある生ジュースコーナーで苺ミルクを買ってもらうんです。
ジューサーがいくつも並んでいて、苺の他にオレンジやメロン、バナナなどなど。
私は必ず苺ミルクでした。
普段はジュースとか買ってもらえなかったし、お出かけの時だけだったから余計に美味しく感じたのかもしれません。

今と違って、メニューの種類や数は少なかったけれど、デパートで味わうそれらは今でも懐かしくて、楽しい思い出として心に残っています。
多分、現在の自分が同じものを食べたとしても、あの感覚は蘇らないでしょうけど。。

｜素材｜
ブラックボードにオイルパステル、アクリル絵の具

｜キーワード｜
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