女子美術大学は、1900年の創立以来、「女性が美術を学ぶ専門機関」のパイオニアとして、日本の美術界を牽引し続けてきた東京五美術大学の一角です。日本画の巨匠である片岡球子をはじめ、数多くの著名な画家やクリエイターを輩出し、その歴史は日本における女性の美術教育史そのものと言えるでしょう。女性特有の視点や感性を尊重する教育を実践していることもあり、女子美術大学の在校生・卒業生が作り出す表現は、社会や日常に潜む小さな機微を捉えた『繊細さ』と、既存の概念を打ち破る力強い『創造性』を併せ持ち、見る者に深い共感と気づきを与えてくれるものばかりです。
本特集では、日本の美術教育の歴史を築き、現代においてもなお新しい表現を追求し続ける女子美術大学の在学生・卒業生に焦点を当てています。多様な分野で個性を輝かせる彼女たちの、瑞々しく、そして力強い作品の数々をご覧ください。