Interview: 内藤瑶子

独学の画家、ぽっと出から20年

 

簡単に自己紹介をお願い致します。

 


神奈川県茅ヶ崎市出身の絵描きです。高校中退で、独学です。
実際に目にした「オヤっ」というもの、忘れられない体験、思い出など、その時々に描きたいなぁと思ったものを描いています。 
自分が経験した、おもいおもいの形を通じて、生き物の切実さとか、世界の凄まじさとか、何か本質的なものを追求できたらいいなと考えています。そういう意味では、決して先端的・モダンなアーティストではなく、割と昔ながらの絵描きかなと思います。 
 
 
 

 

どのような経緯で絵の世界に?

 
学校にあまり行かなくなった中学2年の時にみた神奈川近代美術館「長谷川利行展」(大正、昭和初期時代の画家)に衝撃をうけ絵画制作をはじめました。その後、18歳の時に地元のギャラリーで開催した自主企画の展示を契機にギャラリー、画廊、コレクターの方々などにお声がけいただき、今の活動に至ります。
ちょうど、本格的に絵画制作をはじめてから今年で20年、画廊でデビューして16年になりました。
 

独学で多様な技法を学ばれたとのことですが、どのようなことを学びましたか?

 
私の場合は、美術の専門教育を受けていませんので、学びというのは、ギャラリーで発表しながら、ギャラリスト・美術商の方々やお客様・コレクターの方々に育てていただいた事が多くを占めていると思います。
よく意外がられるのですが、ただ単純に「売れる絵を描いてこい」という美術商の方には出会いませんでした。長い年月、美術シーンを見続けてきた人ほど、自分が描きたいものを深く追求した方がいいというスタンスの方が多いです。
 
私が、かなりの落ちこぼれだった10代の時からずっとお世話になっている方もいらっしゃいます。そういう方々には「画家」というより「社会人」にしてもらった、という感謝もあります。
 
版画技法の場合は、刷り師の方が開いている工房を直接訪ねて教えていただきました。
 

作品にどのような想いを込めていますか?

 

 
一枚の絵が、芸術作品として私が鑑賞するようになるまでには、いろいろなドラマや、関係者の尽力あったのではないでしょうか。
絵を描き、発表することは、時空をこえて共感を呼ぶコミニュケーションと言えますし、それを支える文化的なシステムは、描く人、みせる人、売る人、お客様などなど……絵にまつわる全ての人々が作り上げる、かけがえのないものだと思っています。

 
私が今描いている絵も、さまざまな縁を結ぶものとなってほしいと思います。
 

画材のこだわりなどございますか?

 
画材は、その時の表現にとって必然性がある、ということが大切なのかな?と思います。
 

画家として最もうれしかった時、最もつらかった時は?

 
18歳の時に地元のギャラリーを借りて自主企画した個展でしょうか。
あまりに若く世間知らずだったので、最初は絵を売り物だと考えておらず、購入を申し出てくださるお客様がいらっしゃった時は、大変驚きました。どんな絵だったか忘れましたが、3000円くらいで売ったと思います。自分が初めて世の中に受け入れられたような気がしました。
 

影響を受けた画家さんはいますか?

 
長谷川利行のほかに、恩地孝四郎という版画家に憧れて木版画を作りはじめました。ずっと日本の近代美術に興味があったので、それを通して外国の近現代思想に目を向けるようになりました。
 

絵を描くヒントを得るために何かしていることはありますか?

 
よく「活字中毒」って言われています。暇な時間はほぼ、読書をしています。
最近は、健康のために散歩はするようにしています。
おじいさんみたいですが(笑)いずれも絵のアイデア・ヒントを得ることに大変役立っています。
 

作品を作る上で大切にしていることはありますか?

 

 
心がけているのは、自分が受け取り、感じることのできるインプットを大切にするということでしょうか。古々しい言い方ですが、感性が鈍ることのないようにするということが大切だと思っています。

 
その受け取ったデータから浮かび上がるイメージの「真実味」が私の作品にとってはキモなのです。
 
だから過去の「自分らしさ」という枠に押し込めることで、そのイメージのみずみずしさを失うことのないように、と常に心がけています。
ただそれと、作家としてのキャラクターを立てていくことは相反することがあるので、葛藤があり難しいです。
 

最後に、今後の作品制作に向けての想いをお聞かせいただけますか?

 
出来るだけ息長く作家活動をしたいな、と思っています。

 
 
 


 

  内藤瑶子  

 
1985年、神奈川県茅ケ崎市生まれ。高校を中退した後、独学で油画、日本画、ドローイング、版画などの多様な技法での絵画制作を始める。東京のギャラリーを中心に個展を開催。またグループ企画、国内外のアートフェアなどへ出展多数。CDジャケットのアートワーク、ライブペイントなど音楽や即興に関わるビジュアルワークでも活動中。

 
 
 
 

【2000年】
神奈川近代美術館「長谷川利行展」(大正、昭和初 期時代の画家)に衝撃をうけ独学で絵画制作を開始。
【2001年】
高校を中退。サウンドとアートワークのコラボレーション「円波(Enha)」を展開。 その後も継続してライブペイント、アルバムジャケット制作など音楽に携わるビジュアル制作などを担当。
【2003年】
地元のスペースで自主企画の個展を開催。この展覧会をきっかけにギャラリー・画廊などでの展示活動を開始。
【2004年】
ギャラリーブリキ星、羽黒洞木村東介にてそれぞれ個展。
その後現在まで、ギャラリーT-BOXなどを加えた東京のスペースを中心に個展を開催、またグループ企画多数出展。
 

ナイトプール Night Pool
【2005年】
从会主催「从展」(東京都美術館)に以降毎年出品。2014年から会員。
【2007年】
アートフェア「KIAF」(COEX・ソウル)、2010年には「Asia Top Gallery Hotel ArtFair 2010」(グランドハイアット香港)「+PLUS Tokyo Contemporary Art Fair」(東京美術クラブ)いずれも羽黒洞木村東介ブースにて出展。
【2015年】
パークホテル東京「アーティスト・イン・ホテル」プロジェクト参加・アーティストルー ム「鯉」制作。
【2016年】
ウィーンの実験音楽レーベルeditions megoからリリースされたLicht-AkiyamaTrios ”Tomorrow Outside Tomorrow” のカバーアート制作。
【2018年】
BSフジ「ブレイク前夜」出演。
パークホテル東京ラウンジにて行われた「ART colours Vol.26 『ー井の底ー 成田朱希×内藤瑶子 展』出展。

 

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