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Interview: 谷上裕二

絵画、写真で伝える生きもの素晴らしさ

-簡単に自己紹介をお願い致します。

大阪府豊中市出身、日本に住む身近な野鳥を季節感と共に制作しています。
2008年の梅田大丸での初個展を開催して以降、全国各地の百貨店を中心に活動しています。

 

-絵を描き始めたきっかけはなんですか?

サラリーマン時代に見たワイルドライフアート展(大阪天保山サントリーミュージアムにて開催)に衝撃を受け、退社を機に絵を描き始めました。

 

-作品にはどのような想いを込めていますか?

購入していただく方々に鳥たちがいる雰囲気、空気感も味わってもらえれるようにという想いがあります。(実際に野外で鳥を見ることは少々ハードルが高いので)

 

-フォトグラファーとしてもご活躍されていますが、なぜ写真ではなく絵画でも想いを伝えようと思ったのでしょうか?

場所や機会によって写真で伝えること活動は今でもしていますし、これからも続けていくつもりです。写真と絵画、発表する場所をそれぞれ使い分ける、あるいは両方することにより、より多くの人に生きもの素晴らしさを伝えることができると思っているからですかね。

 

-元々鳥がお好きだったのでしょうか?またワイルドライフアート展で衝撃を受けた点についても教えてください。

物心ついたときからとにかく生きもの全般が好きでした。それこそ最初は昆虫や魚や爬虫類、両生類などの小動物の飼育から始まり、小学生高学年ごろから昆虫採集と並行して洋鳥を飼い始め、一時はお店に売りに行くぐらいの数を飼育繁殖させていました(笑)。それから野鳥に興味が広がっていったという感じです。

ワイルドライフアート展はすべてが衝撃でしたが、何より野生動物を博物学的にかつ芸術的に完成させているところが衝撃でした。いわゆる日本画とかで鳥が出てくる作品もありますが、私たち生きものをずっと見てきている者からすれば、「えっ、この鳥、形おかしいで」なんていうのが普通にあります。もちろんそれはそれで作品として全然かまわないのですが、私たちからすればやはり”絵画”より先に”生きもの”があるので、そこを満たしてくれる作品に出会えたということが嬉しかったです。

 

-差支えなければよく取材をする場所や野鳥を観察する場所でオススメはありますか?

私のテーマは身近な鳥なので、取材するのが一番多いのは自宅の庭で、年にもよりますが年間10数種は見ることができます。

あとよく行くのは大阪城公園や植物園等の都市公園です。一般的に山や森や川に行けば自然があって鳥もいるだろうと思われがち(もちろんいる)ですが、実際にそういう場所で観察するのは慣れないと結構難しいものです。相手は目が抜群にいいですし、おまけに警戒心が強いというのがその理由です。その点、都市にある公園等にいる種類は人の姿に慣れているので、森などの自然の多い場所にいる個体よりさほど警戒心が強くない個体が結構いるので、まずそういう場所での観察がおすすめです。そうして鳥見に慣れていってから、自然の多い場所で探すというのがおすすめします。あとはとにかく根気です(笑)。

 

-日々どんなスケジュールで動いているのでしょうか?

サラリーマン時代と同じく、普通に朝から夕方まで制作活動にかかわる作業をしています。徹夜はしません。取材は屋外なので、早朝から観察、撮影することもあり、遠方に長期で取材に行くこともあります。

 

-画家として最もうれしかった時、最もつらかった時は?

うれしいことはたくさんありますが、ひとつあげるとしたら、ある画廊でスズメの作品を購入してくださったご婦人が、亡くなったスズメが大好きだった旦那さんが画廊に導いてくれたという話を泣きながらされたとき。またこの仕事をしていたおかげで、お世話になった方や懐かしい方と再会できたことが何より嬉しく思います。

つらいと思ったことは特にありません。

 

-絵を描くヒントを得るために何かしていることはありますか?

できる限り野外に出て自然や生きものを見ることです。

 

-今までの作品で最も「自分らしい!」と思う作品があれば教えてください。また、そう思う理由なども教えてください。

初期の頃に描いた「冬の森」という作品です。ワイルドライフアートを自分なりに表現できたかなという手ごたえを感じた一枚なので。

 

-これからどんなことに挑戦していきたいですか?

特にはないですね。今後も今までと変わらず自然体でいきたいと思っています。

▼▼展覧会のご案内▼▼
谷上裕二 油彩画展―小鳥が歌えば―
2020.04.15 ~ 2020.04.21
会期:4月15日(水)~21日(火)
会場:鶴屋本館 8階美術
住所:〒860-8586 熊本市中央区手取本町6番1号


画像クリックで展覧会詳細ページに飛びます。

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谷上裕二

【1966年】
大阪府豊中市生まれ

【1987年】
帯広畜産大学獣医学科中退

【1988年】
スタジオアシスタント、フォトコーディネーターとして勤務(~2002年)

【2002年】
アートスクール梅田にて絵画を学ぶ(~2004年)
以後、日本の鳥類を中心にワイルドライフシーンを描き続ける。
また、画家としてのみならず、カメラマンとしてや、各種イベント、講演等を通して、
大人から子供までを対象に幅広く身近な生きものたちの姿を伝える活動を行う。

【2003年】
アートスクールグランプリ最優秀賞

【2006年】
吉野山灯りコンテスト展にゲスト出展(奈良県吉野町)

【2007年】
陶芸家 加古勝己氏とコラボレーション(心斎橋ギャラリー縄)

【2008年】
個展(梅田大丸・札幌三越・奈良近鉄)

【2009年】
個展(和歌山近鉄・心斎橋大丸)
日本ワイルドライフアート協会大阪展出展(大阪芸術大学付属美術専門学校)

【2010年】
個展(札幌三越・名古屋栄三越)
NPO法人 箕面こどもの森学園にて講演
日本ワイルドライフアート協会関西地区展出展(大阪市立自然史博物館)
タッキー816みのおFMにこの年より2年間レギュラー出演

【2011年】
個展(神戸大丸・札幌三越・心斎橋大丸)
個展 聖・生・精・静 ~脈々と流れる自然の妙~(箕面瀧道橋本亭)
読売テレビ放送「土曜はダメよ!」出演

【2012年】
個展(京都大丸・丸善日本橋・福岡三越・JR大阪三越伊勢丹)
箕面市発行ふるさとカレンダー(2012年度版)12ヶ月分写真担当

【2013年】
個展(守口京阪・札幌三越・広島三越)
J:COM TV出演

【2014年】
個展(心斎橋大丸・神戸大丸・福岡三越・近鉄上本町)

【2015年】
個展(千葉三越・丸善日本橋・守口京阪・あべのハルカス・広島三越)

【2016年】
個展(京都ポルタギャラリー華・心斎橋大丸)

【2017年】
個展(札幌三越・丸善日本橋・福岡三越・奈良近鉄)

【2018年】
個展(あべのハルカス・京都大丸・心斎橋大丸)

【2019年】
2019年
個展(梅田阪神・丸善日本橋・奈良近鉄)

【2020年】
個展(静岡伊勢丹・熊本鶴屋・福岡三越・仙台三越)

【現在】
近鉄文化サロン阿倍野講師
日本ワイルドライフアート協会、(財)日本野鳥の会
(社)トンボと自然を考える会、各会員
大阪府箕面市在住

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