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Interview: 高輪画廊

画廊に閉じこもっていないで、展覧会を見て歩く。作家達と交流する。三岸節子から受け継いだ系譜。

-どのようなギャラリーですか?特徴、成り立ちなどを教えてください

1990年に港区高輪にオープンし画廊名を高輪画廊としその2年後には銀座に移転、画廊名は、そのまま高輪画廊で、現在に至っております。
開廊当初より内外の洋画をお取扱いさせて頂いております。
作家は祖母や父の時代より受け継いだ作家、そして若手の作家の発掘も積極的に行い、もちろん三岸好太郎、節子、黄太郎の作品も常設展では展示しております。
画廊業務とは別に三人の三岸作品の鑑定も致しております。

-代々受け継がれているような考え方やこだわりなどはありますか?


©MIGISHI
三岸と言えばお判りになられるかもしれませんが、元々絵描きの家出身です。
画廊は息子(龍生)で2代目となるのですが、息子(龍生)で芸術に関係する仕事をするのは5人目となります。
三岸好太郎、節子、黄太郎の独自な芸術を受け継ぎ、北海道立三岸好太郎美術館と愛知県一宮市三岸節子記念美術館と協
力しながら、三岸芸術が忘れ去られることの無いように広報活動をしております。

三人の芸術家が残した偉大なる遺産を後世に残していく事が使命と考え、流行に左右されず本物の絵描きが描く絵画だけを扱っております。
直ぐに売れる作家の作品が画商にとって理想なのでしょうけど、若い作家を育てていく事が大事です。
その作家と共に苦労をしなくてはなりません。作家とお客様の橋渡しになればと思います。
あくまでも理想ですが・・・・。その様な事を言っていると他の同業者から笑われるでしょうけれども。

私(太郎)は祖母と一緒に生活を共にしてまいりました。幼少時代から全国の色々な画商さんや業者さん方々が家を訪
れ、正にこの世界の裏の裏まで目にしてきました。海外の生活も長く、取材旅行の際には各地の美術館などを、祖母と父の解説付きで巡っていたことなど、生まれ育った環境が画商になるきっかけとなったと思います。
画商になった私を見て祖母が言った言葉は「おまえもヤクザになってしまったね」でした。よほど画商への偏見があったのでしょう。

-龍生さんはどう引き継いでいきたいですか?

父(太郎)が申し上げた通り、私(龍生)もしっかりとした絵を描いていらっしゃる方の作品をご紹介させて頂ければと
思います。
それに加え、技法やスタイルに囚われずに良いと私が感じた物をご紹介したいと思っております。

-受け継がれた教えで社長の独自性はどう加えましたか?

画廊に閉じこもっていないで、展覧会を見て歩く。作家達と交流するということです。そこから輪が広がり商売に繋がる場合もありますが、いたってシンプルです。

-日本でより美術界が活性化するためにはどうすれば良いでしょうか?

世界中、芸術は低迷していると思います。芸術の都パリといったような言葉は遠い過去のものになってしまった気がします。
皆、似たような絵を描き、真似し合っているようです。何かあっと言わせるような新しく今まで見たことが無いような作品を発掘し、それらの発信元になりたいと思います。

-今後高輪画廊さんはどのような活動をしていきますか?

ヴェロン會という団体展を作りました。
フランスのヴェロン村に、祖母と父が使っていたアトリエと住居が今も有り、そこを作家に開放しております。
ビエンナーレ形式(2年おき)で、愛知県一宮市三岸節子記念美術館で展覧会を開催しており、トリエンナーレ形式(3年おき)で、ヴェロン村のホールで開催されております。

入会時に60歳未満でなければならないなど決まり事はありますが自由な会となっています。
全ては芸術のため。そして、それが芸術の活性化になる。
この信念を守りながら営業していきたいと思っております。

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画廊名:高輪画廊
住所:東京都中央区銀座8-10-6 MEビル1F
電話番号:03-3571-3331
営業時間:月~金 11:00~19:00、土 11:00~18:00
休廊日:日曜・祝日

オーナーの三岸太郎は、洋画家の三岸好太郎、節子の孫にあたり、父の黄太郎も洋画家で、幼い頃からアトリエを遊び場として、ものごころがつく以前から絵画的環境のなかで育ちました。
そのことから、画家の心を理解出来る画商として、画家とコレクターの橋渡しを心がけて仕事をしています。
日本の洋画は勿論、印象派、エコール・ド・パリ、現代アートに至る外国作品の油彩画、水彩画、パステル画、素描、版画、彫刻等、洋画を中心に幅広く美術品を取り扱っております。
内外の若手新進作家の紹介にも力を入れており、個展、グループ展、企画展等、年間を通じて10回前後開催し、その間に常設展を催し、美術の普及に努めております。

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