山梨県出身、今は自分の店と植物を中心に描いていますが基本的なコンセプトはありません。大学は多摩美術大学大学院油画科を卒業しそれ以来水商売と絵の生活を続けています。
元々は音大を目指していたのですが、高校3年生のピアノの発表会の時に舞台袖で「私は絵を描いて生きていくんだ」と思ったので、その瞬間に疑いもなく絵の世界に転身しました。
例えば文化祭などの行事で描くことはありましたが、「作品」として描いたことは一度もありませんでした。
「直観に従って決めていく」というのが私の生き方の軸になっています。
今人形町で経営しているBAR GATAGATOの出店場所もお店を探しに行ったときに、直感で「ここだ」と思って決めました。
想いを込めないことを意識しています。
というとすごくドライなイメージに受け取る方もいると思いますが、絵を描くことに対しては強すぎるほどの強い想いをもっています。
ただ、作品にその感情を直接描いてはいけないと思っているので、感情的な部分をできる限り排除するまでに客観視をしているという意味です。
想いは原動力ではありますが、その想いが作品に直接伝染しないよう想いを込めないことを意識しています。
自分が削ぎ落としている部分を付け足してくれます。また削ぎ落しを繰り返すことにより不変のことが見えてくるのです。私が持っている社会との唯一の接点です。
数年前のモネ展です。晩年の絵が内臓のようで画家の生き様を見ました。
絵を描いているのは基本的に昼間です。
夜は人形町のお店GATAGATOに出ています。
もちろんGATAGATOにいるときは絵を描いてはいませんが、お店での会話、出来事全てが作品につながっています。
結局のところ絵を描いていないときは絵のことをずっと考えていますね。
ジョージア・オキーフです。
骨、砂漠など自然の何気ないものを自分の中に一度取り込んでからアウトプットしている作品にすごく惹かれています。
初めて彼女を知ったのは高校生の時にoliveという雑誌に彼女のライフスタイルなどが書かれているのを読んだのがきっかけです。
それ以降、作品だけではなく彼女の生き様やライフスタイルなどに大きく影響を受けています。
時々海外を旅することもありますが、今日のお天気、お店で話したこと日常全てが作品のヒントになっています。
生活の全てが作品につながっているため、絵のことを考えないことは1秒たりともありません。全てが絵の世界につながっています。
10代の頃に描いた絵。砂漠の崖っぷちを歩く自画像。そのような場所にばかり惹かれるのは変わらない原風景なのだと思います。
シンプルです!死ぬまで描くだけです!!
佐野馨
佐野馨 企画展 vol.2「手紙」
協賛:銀座ギャラリーあづま、日本橋Art.jp
場所:東京都中央区銀座5-9-14 銀座ニューセントラルビル1F
会期:2020.7.13(月)~19(日)
時間:11:00~18:30 (最終日は16:00まで)
昨年の個展から一年、昨秋の南アフリカ旅、今春の
チリ·ボリビア旅、そしてコロナ休業。閉じこめら
れた時間の閉じこめようのない想いを宛先のない手
紙のように描きました。
GATA GATO (Bar)
場所:東京都中央区日本橋堀留町 1-2-9
≪GATAGATOシリーズ≫
日本橋の路地裏にひっそりとある古いビル。ある日一人の画家がそこでお店を始めました。
夜だけ明かりが灯る怪し気なBAR。静かな夜、店は時々旅に出ます。深海から宇宙まで現在世界に100店舗。二匹の黒猫、GATA(ガタ)とGATO(ガト)の旅する店の油絵シリーズです。