Interview注目の作家

小野蓮月

仏画を通じて「仏様は、助けてくれるんだよ」と伝えていきたい

― 簡単に自己紹介をお願い致します。 出身は、北陸の自然豊かな土地で生まれ、結婚を機に、東京に引っ越してまいりました。公共機関等で事務職をしておりましたが、大きな病気が発見され、病気療養を余儀なくされました。その後、数年、仏教の勉強をしていて、ある僧侶の方とご縁があり、本山の寺院にて、在家得度をさせていただきました。寺院等で仏画を習い、現在は、大学病院看護部で非常勤として働きながら、仏画を描いております。 ― 仏画との出会いは? 仏画を描きたいと思ったのは、10年以上前になります。芸術が好きだった事と、仏教の教えを兼ね備えた仏画に惹かれました。 ― なぜ、仏画を描いているのですか? 自分自身が描きたいということもありますが、仏様が、世の中の人々を救いたいと思って下さっていて、仏画を描かせていただいているのだと思うことがあります。 ― 小さいころから絵を描くこと・ものづくりが好きでしたか? 絵を描くのは、好きだったと思います。音楽や文学も好きで、想像力が豊かだったかもしれません。 ― 作品を作る上で大切にしていることはありますか? 健康的生活と、仏教的エッセンスのある清浄な生活を心がけています。心を清浄に保つことにより、絵に仏様が表れて下さるように思います。仏画を描く姿勢や心構えも大切だと思っています。 ― 影響を受けた画家さんはいますか? 平安時代の仏画、川合玉堂、村上華岳、平山郁夫等です。 ― 絵を描くヒントを得るために何かしていることはありますか? 自然界の風景や、生き物を見るのが好きです。また、寺院等に通わせていただいたり、古来の仏画を参考にさせていただいております。人々が求めている救いを仏画で表現できたら、と思います。 ― 印象に残っている展覧会や出来事はありますか? ㈱クオリアート様主催のアラブ首長国連邦アブダビでの展覧会です。海外展は、初めてだったので、世界が広がったような気がしました。 また、美術書籍「日本藝術の創跡25」でも、大日如来様を掲載していただき、感謝しております。
― 今までの作品で最も「自分らしい!」と思う作品があれば教えてください。また、そう思う理由なども教えてください。 大日如来様です。守り本尊でもありますし、いつも助けていただいている仏様です。
大日如来 F6号
― 作品を見た方にどのような想いを伝えたいですか? 人は潜在的に救いを求めていると思うので、仏画を見ていただいて、癒しや救い、仏様の教えに関心を持っていただき、仏様は、助けてくれるんだよ、ということをお伝えできたら、と思います。 ― 最後に、今後の作品制作に向けての想いをお聞かせいただけますか? コロナ感染拡大で、今まで経験した事のない出来事に、世界中がとまどいました。これまでの価値観が崩れ、新しい価値観が求められているのだと思います。それぞれの方が、自分の心を大切にして、ささやかですが、仏画を見ていただくことにより、仏様の存在や、教えで心の幸せを感じていただけたら嬉しいです。