三重県出身で、現在は千葉県で日本画の制作を行っています。広島市立大学日本画学科出身ですが、卒業後は一般企業に就職したため、作家としての活動歴はほとんどなく、公募展に出品したり個人で展示等活動し始めたのはここ4〜5年ほどになります。
現在は主に猫を題材に作品を制作しています。特に、猫の持つ柔らかな体躯を生かしたポーズや愛らしさを感じる表情をモチーフにし、見る人に安らぎや面白さを与えられるような作品を心がけて、日々制作に取り組んでいます。
三重県出身で、現在は千葉県で日本画の制作を行っています。広島市立大学日本画学科出身ですが、卒業後は一般企業に就職したため、作家としての活動歴はほとんどなく、公募展に出品したり個人で展示等活動し始めたのはここ4〜5年ほどになります。
現在は主に猫を題材に作品を制作しています。特に、猫の持つ柔らかな体躯を生かしたポーズや愛らしさを感じる表情をモチーフにし、見る人に安らぎや面白さを与えられるような作品を心がけて、日々制作に取り組んでいます。
印象に残っている展覧会は、2021年に開催された津市美術展覧会です。この展覧会は、数年ぶりに自らの意思で挑戦した公募展であり、最優秀賞(市長賞)を頂いたこともあり、とても思い出深い展覧会です。
現在、多くの作品で猫を描いていますが、この展覧会で発表した作品は、猫をモチーフとして初めて手がけた日本画でもありました。そのため、この経験が現在の制作の出発点となっており、自身の表現の方向性を決定づけた重要な出来事だったと感じています。
美術大学で日本画を学びましたが、在学中に自分の絵にだんだんと自信をなくしてしまい、卒業後は絵とは関係のない一般企業に就職する道を選びました。それでも自分のやってきたことを無かったことにはしたくないという気持ちから、年に1〜2枚ほどではありますが絵を描き続けていました。描いてはいましたが、いわゆる画家活動とはほど遠い生活を長く続けていました。
そんな折、出産を経験し、母親として、また一人の人間として、子供に誇れるものや夢中で何かを追い求める姿を見せたいという思いが沸き上がったことをきっかけに、私の人生の一部であった絵しかないと改めて実感しました。その想いをきっかけに公募展にチャレンジし、ありがたいことに賞をもらえたことで、再び画家として今一度歩む勇気が湧きました。その後は、子育てや仕事と両立しながらではありますが、作品発表や公募展への挑戦を続けています。
小さい頃から絵の原動力は憧れでした。欲しいものが手に入らないときにはそれを描き、理想の世界を空想しては描くことで、自分なりにその憧れに触れようとしてきました。現在、多く描いている猫も制作の原点である憧れから導かれた存在です。
猫を描くようになったきっかけは、コロナ・子育て・仕事が重なり心身ともに疲れ切っていた時期にあります。何食わぬ顔でお腹をさらけ出し、無防備に眠る猫の姿に強い憧れ。ある種の羨ましさを抱いたことが始まりでした。その絵を見た方からは、穏やかに寝る猫の仕草に癒される、穏やかな世界観が魅力に感じるなどの言葉をいただくことができました。憧れという感情は、人の心を揺さぶり、理想を映し出す鏡のようなものであり、非常に魅力的なものだと感じています。
また、現代のSNSやネット社会は共感や理想が求められる時代でもあると思います。だからこそ、自分自身が心から惹かれる題材と向き合い、その中にある感情を丁寧にすくい取りながら、見る人にとっても心惹かれる世界として感じてもらえるような作品づくりを心がけています。
恥ずかしながら、その時々で心惹かれたものを素直に描いてしまうため、作風やモチーフ、表現が大きく変わるタイプです。そのため「最も自分らしい作品はどれか」と問われると、どの時期の作品が本当の意味で自分らしいのか、正直なところ断言することができません。
ただ、その時に強く惹かれた技法・モチーフ・表現・思想をもって描いた作品こそが、その瞬間における最も自分らしい作品であると感じています。その表現の変化こそが私の作家としての歩みであり、自分らしさでもあると思います。
現在は猫や身近なモチーフを組合わせて写実的(現実的な世界)を軸に制作しています。ただ、その根底にあるのは、幼い頃から変わらない憧れであり、どこかにあるはずの幻想の世界。いわば理想郷のようなものです。そうした世界こそが、自分が本来描きたい主題なのではないかと感じています。今後は猫や身近なものをモチーフとしつつも、その世界観を日本画を通して昇華していきたいと考えています。
その一つとして、日本画(日本美術)は抽象的かつ誇張的景観・空間、幻獣、模様といったデザインやキャラクター性を通して、非現実的な世界の表現を得意としていると考えています。そうした幻想的な空間を演出する日本画の系譜として琳派の表現や漫画表現なども手がかりにしながら、憧れの世界である理想郷が描けないかと模索しています。
現代に生きる日本画作家として、現代の人々と共感できる理想の世界観を追求し、鑑賞者に安らぎや想像力を沸き立たせるような作家となるよう邁進していきたいと思います。
自身の内面にある憧れと誠実に向き合いながら、表現を更新し続ける岡本望氏。作風の変化さえも自らの歩みとして受け止める姿勢は、これからの展開に大きな可能性を感じさせる。身近なモチーフから広がるその世界が、どのように理想郷へと昇華されていくのか。今後の表現の深化に注目したい。