同名リチャードブローティガンの小説に寄せて。西瓜部分にナチュラルサンドを使いテクスチャーを変え、スイカの断面の質感を表現している。

2019年か翌年の夏に、ハリースタイルズのウォーターメロンシュガーが流行っていたと思う。

実は私はメロンが好きで、昭和歌謡、森山佳代子のメロンの気持ちをを口ずさんでいた。ねぇ私はメロン月の畑のつゆにぬれた甘いメロンって日本語の歌詞。原曲、英語は何かと気になり調べてみたら、なんとメロンじゃなくてスイカの歌だったのだ！
「デメロンデコラソン」
あなたの心はスイカの心
ただのスイカの心
とても甘いあなた　ゾクゾクきちゃう
あなたの冷さは　私を凍させる
何十年もの間、メロンの歌と思いこんでいたのだが、スイカなんです。

　ハリースタイルのウォーターメロンシュガーはエロい歌とか認めたとかいうのは見出しで記事は読まなかったが、元彼女の愛読書がリチャードブローティガンの西瓜糖の日々だった。本好きな彼女は本を沢山すすめて彼はバカだと思われたくなくて、必死に読んだとか。このリチャードブローティガンはビートジェネレーションの代表格でヒッピーの思想の元になったようなアメリカの詩人である。
私も西瓜糖の日々を読んでみた。ハリーの歌が果たしてエロいだけの歌には思えない。(ウォーターメロンシュガーは隠語の意味もあるようだが、さぞかしブローティガンが知ったら嘆くだろう。)小説は世界が西瓜糖で作られていて幸せなのだが、昔の物を捨てた街から拾ってきた物にハマる人によって事件が起き…。最後は穏やかな西瓜糖の日々が訪れるのだが。西瓜糖は何に例えるとするならば、愛ではなかろうか？そして、捨てられた物は物質や思い出や執着に例えられないかと思った。
大抵、争いは物とか執着心が生む物だろう。考えさせられる。
そんな小説を読んだハリーの歌が単なるエロい歌には思えず、彼女への夏のメロウな思い出も感じられるのだった。スイカよスイカ　甘くてでも冷たいニャー

｜素材｜
アクリル絵の具　キャンバス　F4

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