1950年生まれ。中学生の頃より兄「あさいますお」の影響で現代アートに親しんできました。高1の夏、兄は伊豆の海で事故死。空白の時を過ごす。その秋の文化祭で2m四方の平面を角材で組み、近くのくず鉄屋さんでバイクの泥除けなどの廃材を手に入れ針金で縛り付けて「非常口」という作品を展示。アメリカのロバート・ロウゼンバーグやポロックなどに影響を受けるが、春休みに友人と2人で寝袋をかついで京都方面を放浪。その時立ち寄った龍安寺の15個の石組と砂だけの庭に衝撃を受け、日本文化の奥深さを識る。松尾芭蕉の奥の細道に憧れる。 1968年愛知教育大学の美術科に入学。6年在学のち中退。生き詰まり美術の世界から遠ざかる。絵バカにならないよう平凡に生きようと思う。書籍訪問販売の仕事に就く。 1983年結婚。4児の父となる。 2000年、50才を前にしてどうしても絵の虫がうずき始め、水墨画を描き始める。 2001年より東洋南画院展に水墨画の作品を毎年出品。与謝蕪村の俳句が大好きになる。 2019年より日春展、日展に日本画を毎年出品。 2023年あさいますお著作集「ゲゲの謎」を編集出版。 2025年現在、障害者施設のグループホームで生活補助の仕事をしつつ絵を描いています。絵バカにならないつもりが本当の絵バカになっていると思う今日この頃。
※「あさいますお」(1942~1966/本名:浅井益男)愛知県長久手村(現・長久手市)出身の芸術家。詩や絵画、ハプニングなど多岐にわたる活動を展開したが、24歳(1966)でこの世を去った。2010年黒ダライ児著「肉体のアナーキズム」によってその活動の概要が知られるようになる。2022年10月29日~12月15日まで愛知県美術館コレクション展の一室で「生誕80年 あさいますお 不可視の後衛」が開催される。2023年 あさいますお著作集「ゲゲの謎」浅井玉雄編が出版される。2023年愛知県美術館 研究紀要 第29号に学芸員石崎 尚氏により「あさいますおの芸術と人生」が掲載される。2025年細谷修平編「反万博の思想 加藤好弘著作集」に活動の一部が紹介される。