物心ついたころから絵を描くことが好きでした。
大人になって選んだ職は、グラフィックデザイナー。
長いあいだ、「依頼者さんの願いをかなえる職人」として活動してきました。
でも、デザイナーとしての作品は、「イベントのときだけ」や、「冊子をひらくときだけ」のもの。
もしも、お部屋に飾る絵として選んでいただけたなら、
「ずっと」おそばに置いて、見ていただける。
それはなんと幸せなことでしょう。
「わたしの好きな色」
「わたしの好きなもの」
「わたしの大切にしているコト」
それがどこかで、あなたの「好き」や「大切」とつながって、
かさなったなら。
そうして、あなたの日々を、
そっと見守り、あと押しする存在になれたら…。
そんなふうに夢見ながら、絵筆をとっています。
学生時代より、NGOや地域のイベント関連印刷物を中心に手がけ、現在フリーのグラフィックデザイナーとして活動しています。
コンクールなどの経験はあまりありませんが、
私がつくったフライヤーを、児童館や公民館に置くと、たくさんの子どもたちが喜んで持って帰ってくれて、補充がとても追い付かなかったこと。
私が表紙絵を描いたノートを、何年も大切に持ち歩いてくれているおじいさん。
重い障がいで、ほとんど身体が動かない方が、私の絵のポストカードを受け取って、動かしにくいはずの両手をぱたぱた振って喜びをあらわしてくれたこと…
そんな幸せな思い出が、私を支えてくれています。