「光と風」。
美風の水墨画は、いつもそこから始まる。
どこからか差し込む光、 流れる空気、 その煌めきや気配を感じた時、 彼女は大胆に墨に乗せて描き出していく。
故郷である雪深い奥越の風景や植物が、美風の筆で新たな命を吹き込まれる。
特徴的なのは、 墨を塗らずに光を強調して表現する手法。
夜の川、 杉の木など、 無駄な描写をせずに真っ白にしてしまう。 草木や花なども、 実際の風の流れを抜いて描く。
描かないことで際立つ印象深さは、 新しい水墨画の可能性を広げる。
【略歴】
1950年福井県生まれ。
41歳で水墨画を始め、 渡辺堂仙、 畝村石道に師事する。
現在は制作活動とともに、地域に根付いた教室で水墨画を指導。
福井県水墨画協会副会長。
福井県水墨画協会展、大野市美術展、日本南画院展、福井県総合美術展、総合水墨画展、北国水墨画展、日美展等、多数受賞。