「不機嫌なねこ」をテーマに作品を作っています。
いつも不機嫌顔な21歳まで長生きしてくれた飼い猫がモデルで、しばらく絵を描く事から遠ざかっていた私を、またクリエイティブな自分に戻してくれた大切な存在でもあります。
水彩で描いたイラストと紙粘土で作ったミニチュアの様々な食べ物を組み合わせ、ボックスフレームの中にセットし、食いしん坊には堪らない世界観を作っています。
「妙にリアル」で「薄目で見ると本物そっくり」を目指し「手作り感」を大切にしていますので、ミニチュアフードは完璧な造形ではなく少し歪んだり、凹んだりしているところが魅力の一つだと思っています。
普段は何も考えずに手に取っている食品のパッケージ、パッとひと目見ただけで何のお菓子か認識できるロゴ、色合い。そんな普段の当たり前の光景には実はとてもよく考えられたデザインがあり、直感的にお買い物ができている。そんな事を考えていたら、ある日突然ミニチュアサイズで表現してみたくなったのです。
初めて紙粘土を触ったのは幼稚園の頃で、いちばん最初の作品は「たまごのお寿司」でした。丁寧にそれを乗せるお皿も作り、おままごとで使っていたのを覚えています。
数十年経った今思うと、ここが私の原点でときめく物は変わっていないことに気がつき、作品作りを再開しました。
子供の頃から「主役」よりも「脇役」に魅力を感じるタイプなので、そんなところに注目して作品を楽しんでいただけると嬉しいです。
【略歴】
・東京都生まれ
・アメリカ、サンフランシスコ美大イラストレーション学科卒業
・Lotta Jansdotter (ロッタ・ヤンスドッター)でインターン中にシルクスクリーンを学ぶ
・卒業後3Dアートデコレーションケーキのデザイナーとして勤務(Sarah Lindsay Cakes, San Francisco)
・サンフランシスコ在住中(約15年)に夫と二人での個展、グループ展などに参加
・帰国後なぜか着物に目覚め、着付け師範取得
・3Dデコレーションケーキのデザイナーだった頃のスキルを活かした作品作りを再開