日本の伝統的な画材に魅せられ、描き続けています。
日本画は紙や絹といった基底材に、墨、染料、岩絵具、さらには金箔や泥といった金属までをも用い、膠を接着剤とする技法は原始的とも言えます。しかし、その手仕事による絵具の調合こそが、無限の色彩と表現を生み出す源泉ではないかと思います。
そうして、水で描くということが重要だとわかってきました。水の流れは絵具を繊細に受け止め、独特の滲みやぼかしを生み出します。水と絵具の相互作用によって、偶然と必然が織りなす予測できない表現が可能となります。
主なモチーフは、儚くも力強い生命を宿す花々です。花の一瞬の輝きを捉え、岩絵具の多彩な煌めきによって、その鮮やかな色彩と存在感を表現したいと思っています。刻々と変化する花の形、光によって表情を変える色彩、そして微かに漂う香り。五感を通して花と向き合い、花々が持つ記憶や物語を呼び起こそうと試みています。
生と死、始まりと終わり。花というフィルターを通して、日常の中で出会う自然の姿を再構成し、その根源的な色と形を追求すること。それが、私が日本画を通して追い求めるものです。
【略歴】
1970年 東京都出身
1996年 多摩美術大学二部絵画学科日本画卒業
【個展】
2000年 個展(東京都中央区銀座 G-ART GALLERY)
2002年 個展(東京都中央区銀座 G-ART GALLERY)
2010年 源由紀子日本画展ハナフル(神奈川県横浜市 山手西洋館・ブラフ18番館ギャラリー)
2013年 源由紀子日本画展(東京都中央区明石町 聖路加第一画廊)
2018年 源由紀子日本画展「窕」(東京都中央区京橋 ギャラリー檜F)
2019年 源由紀子日本画小品展~祝祭の花々~(埼玉県さいたま市 伊勢丹浦和店プチギャラリー)
2020年 源由紀子日本画展「幕」(東京都中央区銀座 柴田悦子画廊)
2022年 源由紀子日本画展「嚮」(東京都中央区銀座 柴田悦子画廊)
2024年 源由紀子日本画展「游」(東京都中央区銀座 柴田悦子画廊)
【グループ展】
2006年 ART SALAD(茨城県水戸市 ART WORKS GALLERY)
2008年 ART SALAD(埼玉県川口市 アトリア,韓国ソウル KWANHOONgallery )
2011年 国際屋外アートフェア2011横浜(神奈川県横浜市 象の鼻パーク開港波止場)
2012年 Small is Big : Art Concentration ART SALAD 日韓交流展(韓国ソウル Chairs on the hill)
2017年 日本画二人展 及川みほ・源由紀子(神奈川県藤沢市 小田急百貨店藤沢店ギャラリー)
2023年 源由紀子 及川みほ 日本画二人展(東京都台東区上野 松坂屋上野店アートスペース)
他多数