山下清(1922-1971年)は、「日本のゴッホ」「裸の大将」として親しまれた日本を代表する画家である。知的障害を持ちながら、独特の貼絵(ちぎり絵)技法で鮮やかな色彩と緻密な表現を生み出した。放浪の旅で見た風景を驚異的な記憶力で再現し、花火や風景を描いた作品は素朴で純粋な魅力に溢れている。施設「八幡学園」で貼絵と出会い、才能を開花させた。
テレビドラマ「裸の大将」のモデルとしても知られ、芦屋雁之助の演じる姿が多くの人々の心に残っている。彼の作品は計算されない自然な構図と色彩感覚が評価され、障害者アートの先駆者として、また純粋な芸術家として今なお多くの人々に感動を与え続けている。貼絵だけでなく、水彩画、ペン画、陶器の絵付けなど多彩な作品を残した。
山下清は生涯で推定500回以上の個展・グループ展に参加。特に1956-1970年の15年間は、ほぼ毎月全国各地で個展を開催する多忙なスケジュールだった。