1993年生まれ(岩手県出身)。東京藝術大学日本画専攻で学び、日本画の伝統的な技法や素材感を尊重しつつ、博物館資料や都市の風景などをモチーフに現代的な視点で再構築する作品を制作している。学内外の公募で複数の賞を受け、個展・グループ展を通じて着実に発表活動を行っている。作品には博物館所蔵品の模写や現代の街灯・窓の明かりといった“記憶の層”を扱うシリーズがあり、光と層の関係を主題にした近年作が注目される。
●作風と代表作
佐藤は伝統的な岩絵具や箔など日本画の表現要素を土台に、博物館の所蔵品や都市の断面(街の光、建物の幕、資料の痕跡)を画面に取り込むことで、個人的記憶と公的な記憶が交差するイメージを提示する。絵肌には手触りを感じさせる層構造があり、「遠くから見ていた」「光の層の街」といった展示タイトルが示すように“見え方”や“層”の概念を探る作品群が代表的である。