1995年岐阜県生まれ。幼少期から日本画に親しみ、東京藝術大学日本画領域で学位を重ねる中で写真や素材の断片を取り込み再構成する手法を確立した。和紙や岩絵具といった日本画の伝統的素材を基盤に置きつつ、印刷写真の断片やアクリルなど洋材的な要素を組み合わせることで「絵画」としての風景やモチーフを再提示する作品群を展開している。学内外の公募展で複数受賞を重ね、大学院博士課程修了後も展覧会やレジデンスで発表を続けている。
●作風と代表作
大嶋の制作は「断片の再構築」がキーワード。写真を印刷し切り取った断片を画面上で組み合わせ、和紙や岩絵具、銀箔といった日本画の伝統的表現と重ねることで、平面的でありながらテクスチャーに富んだ画面を作る。色彩は明暗の対比や部分的な鮮やかさを効果的に用い、観者に細部を覗き込ませるような細密な描写と、断片同士のズレから生まれる違和感を同居させる。近作では《Landscape / Jungle》(2024年)など、自然を模したイメージを素材のレイヤーで構成した作品が知られる。