国内の大学を卒業後、C時計会社に就職。思うところありアメリカの美術学校留学。美術を学ぶ貧乏学生を体験、卒業。マンハッタンのABCテレビ局制作部勤務。その後、一時帰国、JIMA電通制作局アートディレクター。ただわたしを美術の道へ歩ませた基盤、大学時代の「白樺林に囲まれた小さな草原、こころの故郷を創った山小屋」の影響でフリーのフォトグラファー、ライター、グラフィックデザイナーとして再出発…。人生さまざまの紆余曲折に、現在はコロラド在住40数年のOLD BOYです。この遍歴にヤング時代のアート至上主義の思想は大きく変わりました。「アートとはひとびとが楽しく笑い、語り合い、幸せを分かち合い、辛さ、悲しみをなぐさめ、手をさしのべること、社会に貢献できるメディアでなければ…」と思います。アートとは気楽に、身近に楽しめ、一瞬でもひとを幸せにできること…、そこにこそ価値があるのだ…と思います。
コンセプト文章:アートとは「魂の憧れ、叫び、呻き…」を表現する手段に思います。個々のアーティストの感性が「魂の憧れ、叫び、呻き…」の表現、創作をいざなうのです。多くのアーティストが自然の美しさ、春や初夏の目覚めるような新緑、花々の美しさを、自分を解放する自由への憧れとして描きます。最近、わたしもそんなアーティストの美しい絵を眺めていました。そして「あんな絵が描けたらなあ}と痛切に思いました。過去、わたしの人生は自然、アウトドア、旅の世界は切っても切れない関係にありました。
そんな関わりに花の美しさは何時も身近な存在であり、花の華麗さ、花との対話、哲学・文学・心理的意義、感性への影響、花と文化、花ことばなどは、何時もこころに訴えるものがありました。
ひるがえってアートに見る日本文化、日本人の美意識はどうでしょう?これは世界でも最も美しいこの国の繊細な自然に培われたものです。日本の自然、四季はそれほど美しく繊細です。私は世界のいろいろな国々、秘境、辺境を流離い、旅しましたから確かです。今の日本を見て気づくのは、繊細な文化、美意識が、物質主義と商業主義の時流におされて、危機に瀕していることです。日本文化の基盤だった家族制度は崩れ、世代間の断絶は深まるばかりです。わたしは今、世代間の断絶をつなぐ役目の重要さ、貴重さを意識します。アーティストにとり、”Age is just a Number!”なのです。”Be creative… that should be the only way to stay being young”は、わたしのモットーです。
常に若いこころの息吹きの感性において、アートを愛する、いろいろなひとびとと交流し、対話し、そこに発想するアイディアを基盤にヤング世代、シニア世代のコミュニティ相互への積極的な参画を促し、互いの理解を深め、溝を埋めること。その社会的、文化的意義を考える時、ひとを幸せにすること、社会に貢献できるメディアであるという事実は、わたしにポジティブなエネルギーを与え、将来へ動かす大きな動因になっています。
【略歴】
・東京都生まれ
1961年
・学習院大学政経学部経済学科卒業
1967年
・SCHOOL OF VISUAL ARTS 美術学校グラフィックデザイン学科 (NYC)卒業
・ABCテレビ局制作部アーティスト
1970年~1972年
・JIMA電通制作局アートディレクター(KLMオランダ航空、オランダ政府観光局)担当
1973年~1991年
・山と渓谷社(SKIER誌、 OUTDOOR誌、夏山JOY誌など)にフォトジャーナリストとして企画提出、例年のメイン特集に関する取材アレンジ、写真・ライティングなど編集業務提携に従事。同社OUTDOOR誌の創刊メインとして従事。
・産報出版(後に廣済堂出版)フィッシング誌、ANGLING誌、ムック本などの企画立案、取材、編集、定期記事の執筆などの業務委託。特にムック本は「ロッキースタイル毛鉤釣り教書」、「ザ・ワールド of ニンフフィッシング」など、すべての写真、執筆を丸抱えで行った。
・ダイヤモンド社BOX誌の記事執筆。
・文芸春秋社NUMBER誌、CLIMA誌などの記事取材。
・報知新聞社出版局「ムック本:Adeventure Life in America」にフォトジャーナリストとして企画立案、取材・執筆などの業務委託。
・東京西新宿ペンタックスフォーラムにて、「ロッキーの秘境・黄金の鱒」写真展を開催。NHK「朝の番組」でも放映され大きな反響を呼んだ。2週間の開催期間中、観客数29,000人を動員した。
・商業写真家としてペンタックス旭光学の写真カタログ、パンフレットなど、幾つかのロケーション撮影の業務委託。
・東急ハンズ(池袋支店)オープンに伴うオープニングイベント:1)ナショナルジオグラフィック/フリーランス・フォトグラファー写真展、2)白樺の樹皮で作るハンドメイドカヌー制作実演(アメリカでも希少の職人)の企画立案、交渉、契約などを日本デザインセンター(所長・梶祐輔氏)との協力提携のもとに実現。
・数年、コロラド州デンバー市内にスタジオを借り、アーティストとして油絵の制作に励む。幾つかの米国内公募美術展(油絵部門応募)
冬季はロッキー山中キーストンスキー学校で、ロッキー最初の日本人の職業スキー教師としてしごとする。
1992年~2016年
・US FrontLine邦人新聞(NYC発行)にフリーのフォトジャーナリストとして、旅、アウトドア、釣り関連の企画提案、撮影・原稿執筆など取材記事の業務委託。また写真エッセイ「コロラドロッキーの田舎暮らし」連載、アメリカ・カナダのアウトドア、釣りレジャー、西部の旅、などにつき企画提案、各企画を取材、特集などに従事。
・コロラド州ラブランド市地元トンプソンバレー美術協会メンバーとして、イベント、展示など種々の活動に従事。ラブランド市立美術館の依頼・編纂「伝説の彫刻家達/A Sculptural Legacy, 25 Years of Sculpture in Loveland」の写真撮影などの業務委託。
・アメリカ合衆国発刊の「FLY FISHERMAN誌」日本版編集長(山と渓谷社・創刊)としてデンバー市を基盤に活動。英日/日英翻訳、編集校正、制作、PRなどの業務に従事。筆者、写真家との著作権、出版契約交渉にも従事。またカナダBC州、バハマ政府観光局などに旅、釣りレジャーなどの企画提案その提携協力において多くの取材をこなした。
・コロラド州ラブランド市立美術館(館長:モーリン・コーレイ女史)と、長野県松本市のIAC美術会(International Art Center:設立者・名誉会長:故・岩淵陽人氏、会長:荻久保春雄氏)の了解において、山岸は日本文化・美術企画コンサルタントとして、”Emerging Contemporary Japanese Artists” Art Exhibitionを企画立案、日本の美術界に台頭する美術作家作品をコロラド州、及びアメリカ北西部の主要美術館を巡る巡回展につき仮契約締結。約一年半にわたる種々の手続きを終えた時点でリーマンショック経済不況が発生。ラブランド市財政状況が逼迫し契約不履行にいたった。
2017年~2024年
・ アーティストとして、写真、イラスト、水彩などのミックスメディア、ディジタルアートの制作を続けている。
・ 作品展【ロッキー山中アトリエ暮らし】を、国内の市民ギャラリー開催を意図したがパンデミックで中止。
・「THE FINEST ANGLERS」(フライフィッシングの世界で最も優れた12人のアングラー達の映像とエピソードを描いた英文写真エッセイ集)の出版先(アメリカ)を探索中。
・「異郷の街かど」(著者が旅した異国の秘境、辺境などの風景、旅情などを写真とストーリーでまとめた写真エッセイ集)執筆完了。現在、出版先を探索中。
【作品歴】
1982年
・「ロッキーの秘境・黄金の鱒」写真展・東京西新宿ペンタックスフォーラム。NHK「朝の番組」で放映され大きな反響を呼んだ。2週間の開催期間中、観客数29,000人を動員した。
2007年
・コロラ州エステスパーク・アートセンター主催、第11回「LINES into SHAPES」全米公募美術展・写真部門にて入選
・コロラド州ラブランド市「June Juried Fine Arts Show」公募美術展・写真部門にて金賞
2008年
・コロラド州ラブランド市「June Juried Fine Arts Show」公募美術展・写真部門にて金賞
・コロラド州ラブランド市ラブランド美術館「Foote Gallery Art Sightings」公募美術展・写真部門入選
・コロラド州ラブランド市ラブランド美術館「Juried Regional Art Exposed Exhibition」公募美術展・写真部門にて3位入賞
2009年
・コロラド州ラブランド市美術館編纂、「伝説の彫刻家達/A Sculptural Legacy, 25 Years of Sculpture in Loveland」の写真撮影。
2013年
・第22回「ゆきのまち幻想文学賞」短編部門、『さようなら』入選
2014年
・第24回「ゆきのまち幻想文学賞」短編部門、『水底異聞』入選
2015年
・第25回「ゆきのまち幻想文学賞」短編部門、『めだぬき』入選
2016年
・第26回「ゆきのまち幻想文学賞」長編部門、『トラッパー・ミック』準長編賞
(上記の短編入選はすべて日本文化を象徴する帯、着物、浮世絵などを雪の幻想にからませた作品によります)
【出版歴】
1975年
・「アドベンチャーライフ in アメリカ」(報知新聞社出版局)
1980年
・「トラウト・フライ・USA」(産報出版)
1982年
・「ワールド・オブ・ニンフフライフィッシング」(廣済堂出版)
1983年
・「アメリカン・アウトドアライフ」(実業之日本社)
1985年
・「ロッキースタイル毛鉤釣り教書」(廣済堂出版)
1989年
・「エキスパートのフライフィッシング」(山と渓谷社)
1990年
・「鱒釣り師」(山と渓谷社)
1995年
・「ロッキー山麓の四季/春夏・秋冬、上下2巻」(東京書籍)
2009年
・「ロッキーの森から」写真エッセイ集(徳間書店)