⚫︎デザイン制作会社を経て現在はフリーアートディレクター、ミクストメディアアーティストとして制作しています。
⚫︎旅に出ても日常でもよく空を見上げます。
山で遭難しかけたら空を見よと言いますが常に何処か行く先を探しているかのようです。
僕の作品によく空が出てきますが青い空を描くのではなくスクリーンに見立てた空に映し出された記憶の映像を描いているのだと思います。
旅に出た先で写真を撮るのもいいでしょう。でも僕にとってはその被写体はすでに美しくよくできた完成形であり忘れないためのメモに変わるものでありそれ以上のものは生まれません。
それより見たり聞いたり触れたり一つ一つ自分の記憶の中にたくさんの命のようなものを閉じ込めておくほうが性に合っているようです。記憶は起承転結のない深い眠りの中で見る辻褄の合わない良くも悪くも夢のようなものへと変化します。そんな「記憶」という無限の絵具が縦にも横にも絡む糸のように混ざり合い勝手にストーリーを展開しているようです。
それが僕にとっては唯一の心に焼き付けた風景写真かも知れません。
振り返れば︎自然や風景が好きでよく描いています。鳥や動物、昆虫、花、人そしてモノも。もしかしたら評価の低い表にだせない収拾のつかないものもあるかも知れません。でも共存しあい生きるそれら全てが旅の途中で見る「終わりのない僕の思う風景の中の一つ」なのかと思います。
命あるものをつくり色や形の「存在感」を表現できればと。そこから始まるであろう何かストーリーをそっと肌で感じていただけたらと思っています。
【略歴】
・美術大学油絵学科の学業と並行してデザイン会社でアルバイト。
・油絵よりもデザインと写真の魅力に引き込まれ広告業界であっと言う間にワープしてうんじゅう年。