私たちは点が集まりは散っていく波の世界に生きている。変わり続ける世界。つまり宇宙。この肉体がいずれは消えてなくなるように、これが自分だと思っているアイデンティティすらどんどん変わっていく。あの人はこういう人だ、あの出来事はこんな体験だったという思い込みすらも変わっていく。永遠というものがあるとするならば、この世界は変わり続けるということだけ。だからすべていずれは変わるということを許し受け入れれば、どんなに自由だろう、どんなに視界が開けるだろう、どんなに肩の力が抜けるだろう。現実があまりに確固としているように見えるからこそ、私はこの宇宙の捉えがたいリズムをアートで表現してみたいと思った。私の作品を通じて、私たちが本当はどんな世界に生きているのかを思い出すきっかけになれば。
タイトル「A Tender Time」
ロンドンのThe Holy Artギャラリーが主催しているバーチャル個展です。
2021年9月4日〜10月4日まで
リンク:
https://www.theholyart.com/a-tender-time
インタビュー記事(英語):
ロンドンでのオンライン個展について
▼略歴
2002年に渡米。ニューヨーク在住。2012年頃から紙を使った作品を制作し始め、和紙で制作した10 x 10シリーズがギャラリーやアートフェアなどで出展される。2019年には台湾の樹火紀念紙博物館にて、10 x 10作品と共に自身制作の紙のインスタレーション作品『ゼロ・フィールド』が披露され、同時にインスタレーションをモデルに着せ撮影するという実験も行った。その時には「日本の着物のようだ」と言う声も上がった。写真うち1点は、メンフィス大学が発刊しているポエトリージャーナル「The Pinch」2021年春号で取り上げられた。2017年公開の大林宣彦監督映画『花筐/HANAGATAMI』に俳優として出演。現在は主に水との対話の中でアクリル画を制作中。