佐々木久枝
ある日、墨の作品の破片を組み合わせていたら面白い表情になり、日本の伝統的な陶器の修繕方法である「金継ぎ」やからヒントを得て、金色の線で一つ一つのかけらをつないでいく作品を試すようになりました。
私自身はどこか不完全なものに魅力を感じていて、実験的に異なる墨作品のかけらを組み合わせることで、新たな表情、美しさ、調和が生まれました。
一つ一つの墨作品のかけらは、私自身の不完全さ、歪さ、ほころびであり、全て私の一部であること受け入れ、共に生きていくことを表しています。
このように金継ぎ風の作品は、当初は個人的な思いによるものだったのですが、現在のますます大きくなってきた人々の差別、分裂、言い合いを見て悲しさを感じておいます。もっとお互いに歩み寄り、お互いの違いをしり、理解に努めるだけでも少しは平和になるのではないかと考えている。墨作品のかけらは一人一人の個性、違いであり、それを認め、共生することで平和を保って欲しいというメッセージも込めています。
※作品サイズの表示は額縁のサイズです。