コワレモノ #2

寺澤 晋吾

【創作への心象スケッチ】
パンデミックで脆く崩れ、乱れゆく世界秩序と経済。
社会的存在たる人間──母なる自然を放逐し自分たちの築き上げた自己家畜化されたシステムのなかで他者との協調の上に生きるしかないニンゲン──は、どんな美男美女も薄い皮膚をはがせば醜い血だらけの肉塊であるように、社会生活用に育まれた対外的な、うわべの、タテマエの表情をはがせば誰しもが他人(ひと)には見せられない、もろく崩れやすい内面を抱えている。
あるいはすでに傷だらけであるかもしれない。
ただれた痘痕(あばた)のような表皮でかろうじて覆われて、その狭い殻のなかで生々しいウブな精神が心の内なる海に広がっているだけの。
そこでは幼なごころへのあこがれと追憶とを月の満ち欠けのような潮流の源とし、未来に背を向けて過去から現在のなかでのみ干満を繰り返しては自身の狭隘な内的宇宙に安堵し、おだやかな波の流れにゆだねるうちに、時でさえ忘却の渓谷へとこぼれ落ちてゆく。

宇宙の何千億とある銀河の、何兆億とある恒星の、何京個もの惑星の、その内ほんの僅かの確率で生命体がいる星の、そのまたほんのわずかの知的生命体のいる星のうちの一つで、数十億人分の一人であるニンゲンの、思いや行動が一体どれほど宇宙に影響を与えるというのか、あるいは、たかが数十年の命など、百数十億年の宇宙の歳月からすれば一体なんであろうか。

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作品情報

作品タイトル
コワレモノ #2
作家名
画廊
制作年
2021年
技法
キャンバスにアクリル絵の具
号数
F4号
サイズ
33.3×24.2cm
価格
-
非売品

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