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Interview: Midori

My Universe

 

“ 画家の道に進むきっかけは、同僚の一声 „

画家としては異色の経歴をたどってきた。教室などには通わず、アートとは一見関係のない職に就きながらも、海外での展示を果たすまでの画家になった。

「小学生の時に版画で入賞しましたが、中学・高校はバスケットボールに熱中していましたし、大学は外国語大学に進学したので、絵とは随分と離れていました。きっかけは2017年、勤務先のデザイナーさんに『絵コンテで使用した水彩絵の具が余ったから、これで描いてみたら』と言われ、絵を勧められたことです。絵具セットを持ち帰り、無我夢中で描画しました。その時に描いたのが、『オカメのピーちゃん』。とても上手とは言えない作品ですが、大好きなオカメインコを大人になって初めて作品にできたことは、強烈に心に残っています。あの時同僚に勧められなければ、絵ではなく他のことに夢中になっていたでしょうね。」

画家としてはもちろん、やりたいことが生まれてはそれを叶える人生を歩んできた。

「12歳の頃の夢『外国に住むこと』は20歳でアメリカ留学したことで叶い、同じ頃に描いた翻訳家になるという夢は2023年に叶いました。そして、25歳で願った『キャリアコンサルタントになる』という夢は、2023年に資格を取得し叶えることができました。その都度、やりたいことが生まれては叶えてきた人生ですが、画家として自分の絵を見てもらいたいという気持ちもすごく大きかったです。2017年に絵を描き始めて、2022年3月からは海外でも作品を展示することができました。絵については、活動がしっかりと形になってきていることが嬉しいですね。」
 

オカメのピーちゃん

 

 

“ 留学で育まれた、自ら動くエネルギー „

海外での出展につながった要因は何だったのだろうか。

「2022年3月からインスタグラムを通して声をかけてもらい、それから継続的に展示させてもらえるようになりました。以前から海外で作品を展示したい気持ちがあったので、嬉しかったですね。少し前に、シアトルを旅行した際は、地元の書店を突撃訪問して『自分の絵を売りたい』とオーナーに交渉し、『あなたの描く絵はアメリカにはあまりない。ぜひ買うよ。』と言ってもらえたことがありました。日本とアメリカの作風の違いを認め合う形で交渉ができ、かつ販売に繋がったことに達成感を覚えました。」

異国の地で、自らの作品を営業するというバイタリーには驚かされるばかりだ。

「こうした積極性はアメリカ留学で学んだことです。大学でジャーナリズムの授業を取っていて、現地のラジオ局や新聞社に電話でアポを取ってインタビューもしていました。自ら動かなければ何も得られないと感じていたし、海外での展示は間に入ってくれる業者さまがいて成り立っていたので、自らその過程を経験したいとも思っていました。」

作品のレパートリーも、動物がメインのかわいらしい絵や、宇宙をテーマにした書など、幅広い。

「動物が好きなので、犬やインコを中心に描いています。動物の表情を見ていると、私は自分らしくありのままでいいのだと感じられますし、絵を描く時間は自分にとって癒し・至福のひと時です。また、宇宙について考えている時は、物事を俯瞰して見ることができます。キャリアに悩んだ時などに父へ相談した際、『そんな時は宇宙から見た地球を想像しなさい。宇宙から見たら、あなた一人の悩みなんてちっぽけなものなんだよ』と言ってもらえて、気持ちが軽くなった経験があります。そこから宇宙を身近に感じるようになりましたね。」

 

行かないで

 

 

“ 今後も夢を叶えていく „

数多の作品がある中、最も思い入れがある作品は愛犬を描いたものだ。

「一番心に残る作品は、以前飼っていたミニチュアダックスを描いた『ありがとう』というもの。晩年はヘルニアになって歩けなくなりましたが、いつも近くにいてくれた愛しい存在でしたし、今は天国から見守ってくれていると思います。作品名の通り、ありがとうの気持ちを込めつつ、もう二度と描けないんじゃないかというくらい集中して描き上げた作品です。」

さまざまな夢を叶えてきたが、今後も留まることなくフルスロットルで動いていくそうだ。

「今は海外での作品展示とともに、缶バッジ・ステッカー・バッグなどのグッズ販売も行っています。自分の作品が海を渡り、海外のどこかで飾られていたり、日常で使われていたりするのかと思うと感慨深いです。自分の集大成というか、英語とアートを組み合わせたものや、動物・宇宙など私の癒しになってきたものを皆さんに伝えていければと考えています。
自分の夢はある程度叶えてきましたが、まだまだやり遂げたいことがあります。画家・翻訳家・キャリアコンサルタントをやりつつ、今関わっている新規事業においても、人と夢と地域を繋げる未来創造カンパニーを創りたいです。アートも、翻訳も、キャリアコンサルティングも、今まで経験してきたどのジャンルでも役に立つはずなので、新しく生まれつつある夢を膨らませながら過ごしています。
画家活動においても、動物や宇宙をメインにしつつ、実は乗り物も好きで描いてきました。今後は電車・飛行機・車など従来の乗り物と、動物を組み合わせて、少し空想的な絵を描きたいと考えています。実在するものだけではなく、創造的な未来につながるような作品も残したいですね。今後も未来志向で、新たな夢を叶えていきたいです。」

ありがとう

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