日々の人生を歩む中、社会に出てそして家族が増える中で、ふと自分の生き方に疑問を持ち始め「生きる」とは、「幸せに暮らすこと」とはと考えるようになりました。 生きること、そしてその上での幸せとは何なのだろう。 争い、競い、その中で成長してきた人類。真剣に取り組むことや勝敗を分けることは時にはとても大事で、それが各々の成長の糧になることは間違いなくあると感じます。 しかしそれだけが正しい成長の方法なのでしょうか。 その成長のみが幸せに暮らすことに繋がるのでしょうか。私はそこに違和感を感じ、競い争うことから一度距離を置こうと決めました。 そこからどんなことが見えるのか。 今はまだその道の途中ですが、生きていく中でのちのちに見えてきたらと願っています。 そういった視点から、制作プロジェクト「いのちのいろ」をスタートしました。
「いのちのいろ」と題したことには以下のような意図を込めています。 ヒトがヒトのことしか考えていないように見える人間社会の中では、本当の意味での多様性は得られないのではないか。 自然や地球、ヒト以外の生物の多様性の中で共生を図れなければ、これまで通りに人間社会をキープすることは叶わないだろう。ではそれらを得るにはどのような視点で考え、感じ、生きていくべきなのだろうか。 ヒト以外の「いのち」に今一度フォーカスし、ヒトが置かれている環境についてを客観視し、良いところや改善すべきところを見つめ直そう。 また、そこから見えるビジュアル的な美しさとともに改めて「生きる」ことや「幸せに暮らす」こと、または「豊かさ」の本質的な美しさを見出そう。 様々な環境や状況によって現れる色彩やその組み合わせ、テクスチャー、マチエール。 そこに多様性の美しさや豊かさ、面白みがあり時には残酷さや汚さの中にすらそれらは見えるのではないか。
このようなことを感じ、考えて制作した大小様々な作品を通して、今のご時世では気が重く成らざるを得ない状況がある中で改めてそして少しでも、ご高覧頂くことで「生きる」ことや「幸せに暮らす」ことについて見つめ直す、皆様の中での一つのきっかけにして頂けるようになればと心掛けています。 最後に、ご高覧頂いたあとに少しでも心豊かにお過ごし頂けますと幸いです。
【略歴】 1981年12/24 横浜生まれ。 藤沢市鵠沼で育ち、都内にて約10年広告制作の会社での仕事に従事したのちに、2015年あたりより徐々に作品制作を開始。 これまで、ビジュアル表現全般のディレクションや広告写真などのレタッチ、商品パッケージなどへのイラストレーション、グラフィック、webなどのデザイン全般、アニメーション作品など多くの2D表現、デジタル表現での制作に携わってきました。 現在ではそれらのデジタル領域の活動と、絵画作品などのアナログ領域の制作を中心に活動しております。 今後はデジタル領域とアナログ領域を分け隔てなく、自分なりのクロスメディアな作品の展開を画策しております。 2020年より「いのちのいろ」をテーマに主に平面作品を展開し、これまで鎌倉にて3回個展を開催。 また活動の傍、2018年より京都芸術大学に在学。 自身の制作に結びつけるため、主に美術史を学んでおります。
【個展】 2020.10 『いのちのいろ 』展 vol.1 カタコトギャラリー（@鎌倉） 2022.6 『いのちのいろ 』展 vol.2 カタコトギャラリー（@鎌倉） 2022.10 『いのちのいろ 』展 vol.3 カタコトギャラリー（@鎌倉）
「OMNIVERSE」はちのた しょう
1,200,000円
「鯨」はちのた しょう
760,000円
「日向ぼっこ」はちのた しょう
660,000円
「蝸牛 ろ」はちのた しょう
26,000円
「蝸牛 い」はちのた しょう
27,000円
「Jupiter - from the Solar System -」はちのた しょう
165,000円
「Landscape II」はちのた しょう
80,000円
「Landscape I」はちのた しょう
132,000円
なぜ産まれ、なぜ死ぬのか。その中で幸せに生きるとは。 一度今在る生活環境や属する生物環境から離れ、俯瞰して見た時にこそ見えるものがあるはずだという思いから違う世界に思いを馳せました。 一度地球から眼を離せば、その外側にはヒトではとても測れない程の空間が広がり、地球にはない形で成り立つ恒星や惑星、衛星などの星があります。 そこには確かにあるのでしょうが、とてもリアリティの薄い、まるで空想の様な世界観だと感じています。 正確に測ればとてもありえない様な距離感にあるそれぞれの星。そんなことから古代のヒトビトも想像をビジュアル化して楽しんだのでしょう。 私もその仲間に入り、改めて新たな視座を獲得しようという試みから制作しました。
素材：顔料、岩絵具、墨、アクリルメディウム、アクリルガッシュ
現在、地球の中で最大の哺乳類である鯨たち。 彼らはエコーロケーション（反響定位）やクジラの歌とも呼ばれる反復的な音を、鼻腔内にあるヒダから発しコミュニケーションを取ったりして周囲の状況を把握します。海中は光の吸収の大きさから視界が悪く、他方で音の伝達速度は大気中の4倍ということもあるのでしょう。 しかしその眼は、あまり見えていない様には感じられない程に私には何かを見抜いている様にも感じられました。 何かを悟り、その全てを包み込んでくれるかのような大らかさを感じながら制作しました。
ヒトから見れば、普段は温厚に見えるカバ。 しかし生物の世界では、時にその攻撃性はライオンよりも危険だとされています。 そんなカバが寝そべる様はとても優雅で、ある種の神々しさすら感じられました。 その目には何が、どのように映るのか。 そんなことに思いを馳せて制作しました。
素材：顔料、岩絵具、墨、アクリルメディウム、アクリルガッシュ、金箔、銀箔、ジェッソ、キャンバス、寒冷紗、木枠
梅雨時によく見られる蝸牛。その装飾性や自由な形態には以前から見惚れる方な魅力を感じていました。 今回はその魅力を色彩と金箔にて、そして立て型の構図で表現しました。
また私は常々、ヒト以外の生き物を通して「生きる」ことや「幸せに暮らす」こと、または「豊かさ」とは何なのだろう。 多様性とは何なのだろう。そういった点に改めてフォーカスした時に考えられること、感じられることを意識して制作しております。
今のご時世では気が重く成らざるを得ない状況がある中で改めてそして少しでも、ご高覧頂くことでそういったことを見つめ直す一つのきっかけにして頂けるようになればとも心掛けています。
梅雨時によく見られる蝸牛。その装飾性や自由な形態には以前から見惚れる方な魅力を感じていました。 今回はその魅力を色彩と金箔にて表現しました。
ヒト以外の生き物を通して、「生きる」ことや「幸せに暮らす」こと、または「豊かさ」とは何なのだろう。 多様性とは何なのだろう。 そういった点に改めてフォーカスした時に考えられること、感じられることを意識して制作しております。 今のご時世では気が重く成らざるを得ない状況がある中で改めてそして少しでも、ご高覧頂くことでそういったことを見つめ直す一つのきっかけにして頂けるようになればと心掛けています。 2022/10に鎌倉で開催した個展会場にて、ライブヘインティング形式で制作した作品です。 木星の分厚い大気によって見える表面上の模様を個展会場でのライブ感を大事にしながら描きました。
ヒト以外の生き物を通して、「生きる」ことや「幸せに暮らす」こと、または「豊かさ」とは何なのだろう。 多様性とは何なのだろう。 そういった点に改めてフォーカスした時に考えられること、感じられることを意識して制作しております。 今のご時世では気が重く成らざるを得ない状況がある中で改めてそして少しでも、ご高覧頂くことでそういったことを見つめ直す一つのきっかけにして頂けるようになればと心掛けています。大作『OMNIVERSE』を制作する中で見えてきた風景の一つです。
