イギリスSWE(THE SOCIETY OF Wood Engravers) / 日本版画学会 / 日本美術家連盟 会員
【略歴】 1986年 ・中国大連生まれ 現大阪府在住 2012年 ・来日 2021年 ・大阪芸術大学大学院 博士課程後期 修了
「『月下美人』(げっか びじん)」漢嘯
120,000円
「『花木蘭Ⅱ』(ファ ム-ランⅡ)」漢嘯
130,000円
「「添子添福寿」(テンシテンフクジュ) 」漢嘯
58,000円
「『宝来福来』(ホウライ フクライ)」漢嘯
この作品は擬人化されたパンダの美女はこの作品の主人公である。涼しげな扇を持ち、心の良人(りょうじん)を想うような微笑みを浮かべている。美人の後ろには中国の文人画でよく使われる紋様が描かれる「歳寒三友」(さいかんのさんゆう)があり、具体的には松、竹、梅の三つ紋様を指す。この三つ紋様は日本では「松竹梅(しょうちくばい)」と呼ばれる。松と竹は寒中にも色褪せず、また梅は寒中に花開く。これらは「清廉潔白・節操」という、文人の理想を表現したものと見なされた。日本に伝わったのは平安時代であり、江戸時代以降に民間でも流行するが、「松竹梅」といえばめでたいことの象徴と考えられており、本来の中国での認識とは大きく異なっている。
(素材:椿、雁皮紙、油彩インク、金箔、金粉)
花木蘭は、中国の伝説をモデルとしている。昔、中原侵略を目論む北方騎馬民族「匈奴」(キョウド)が侵攻し、国中に徴兵令が下った。これによりファ(花)家も男子一人を軍に入隊させなければならなかったが、ファ家には高齢で足の悪い父しかいなかった。親想いの一人娘・ムーランはそんな父に代わり、男装し従軍したのである。フン族の首領との凄絶な一騎討ちにムーランが制し、勝利を収めた。そのことを知った皇帝は、女性でありながら勇敢に戦ったムーランを公正に褒め称え、累代の秘宝を授けた。 作品は擬人化されたウサギを中心に、背景には木蘭を題材に作った漢詩・『木蘭辞』を組み合わせて描いている。漢詩の内容は以下の通りである。 「雄兎脚撲朔、雌兎眼迷離。兩兎傍地走、安能辨我是雄雌。」 (雄の兎の足は前に伸び、雌の兎の目は霞む。両方の兎が地面を走った時、どの兎が雌で、どの兎が雄なのか区別することができようか、いやできない。) これは木蘭が父のために男性に混じって戦ったことを賛美するものである。
(素材:椿、雁皮紙、油彩インク、金箔)
この作品は、擬人化した3匹のネズミが新生児の誕生を祝う場面を主に描いている。また、吉祥に関するものも描かれている。例えば、お金の入った巾着袋は、富や豊かさを象徴している。書物や筆墨は、素晴らしい未来と強い学力を持つ象徴を示している。大量の食糧は一生、衣食の憂いがないことを象徴している。そのほか、子ネズミは胡桃で作ったベッドの上に寝ているが、胡桃と算盤には利口であるという意味があり、将来この子が利口で立派になるという意味が込められている。 作品の上に緑色の金箔を施した。緑を選んだ理由はこの家族が四つ葉のクローバーのように、生涯にわたって幸運と幸福にめぐまれることを祈る意味合いを込めた。
(素材:柘植、雁皮紙、油性インク、金粉、色金箔)
宝船(たからぶね、又はほうせん)とは、七福神が乗る宝物を積み込んだ船または、その様子を描いた図のことである。新年をあらわす季語でもある。 宝船には珊瑚や珍宝など、様々な宝物が積み込まれている。そのため宝船はおめでたい船とされ、この船に七福神が乗っている様子をかたどった置物などが縁起物として親しまれている。その帆にはさまざまな縁起の良い一文字が描かれている。 また、宝船が描かれた図には「永き世の 遠の眠りのみな目ざめ波乗り船の音のよきかな」という回文歌などが書かれることがあり、正月の2日にその絵を枕の下に入れて寝ると良い初夢を見ることができると言われている。 この作品の中は七福神(大黒天の打ち出の小槌、毘沙門天の武器、恵比寿天の鯛、寿老人の亀、福禄寿の桃、弁財天の琵琶、布袋尊の大きな袋)が持っている宝物を描いている。
(素材:柘植、雁皮紙、油彩インク、岩絵具、金粉)