B-cushionについてさまざまな連想を喚起する温かい血の内包されたような形態、まるで自分の分身のような自作の布のオブジェである “B-cushion”を結んだり、ねじったりして出来る立体の柔かい強さを平面に置き換え表現するために、ネパール産のロクタという植物繊維を原料とした分厚い紙を支持体として、敢えて走査線を粗く露呈することによって、横縞状の不思議なイリュージョンで覆われていく作品です。

紙の持つ独特の味わいと風合いに助けられランダムな耳を見せる展示を心掛けながら。この”B-cushion”は昔「結ぶクッション」として発表したものですが、形が無限に変化するので、今後も色々な形状を追求し、曖昧模糊で温もりのある作品を創り続けたい。 変幻自在に挑発し、五感を刺激するように、ひっそりと生息して。　　　　　　　　　　　　　　

長はるこ